ブログ小説 妙なこと 第十八話 (1)

「5月のゴールデンウィークも終ったし!」
「高2だし!」
「本格的に勉強をしなきゃなあー!?」
と健介(けんすけ)が言ったのでした。すると、
「でも、休みってさあー!」
「あっというまに終わっちゃったなあー!?」
と修二(しゅうじ)がしみじみ言ったのです。

「ほんと!」
と納得したように健介がため息まじりで言うと、
「なんでさあー!?」
「遊んでいるときは時間があっという間に経つのにー!?」
「嫌いな授業のときは、なかなか時間が経たないんだろうなあー!??」
と修二が言ったのです。

「しゅうじー!?」
「小学生のときの方が!?」
「今高校行ってる時より時間がゆっくりだった気がするけど!?」
「なんでかなあー!??」
と健介が言ったのでした。すると、
「そうだなあー!?」
「それで、遊びにしても!?」
「小学校のときのほうがもっと楽しかった気がするー!?」
「なっ!!??」
と修二が笑いながら言ったのです。

そんな話をしながらゆっくり自転車を押し、
橋のところに来たのです。
そしていつもはここで、ふたりは別々の道を帰って行くのでした。

「よく子供の頃ふたりで”水切り”やったなあー!??」
と懐かしそうに健介が言うと、
「”石飛ばし”かあー!?」
「そういえば!?どっちも言ってたけどー!??」
「どっちが正しいんだろう??」
「まあいいけどー!?」
「久しぶりにやるかあー!??」
と修二がうれしそうに言ったのでした。

「でもこの辺も河川敷が整備されちゃったから!?」
「投げる石があるかなあー!??」
と健介が言うと、
「とにかく下まで下りようぜ!!?」
と修二は言うと、自転車をマンションの駐輪場の近くに停めたのです。
健介もその隣に自分の自転車を停め、
ふたりは石段を河川敷のところまで下りて行ったのでした。

「チェッ!!」
「石なんかどこにもないよー!?」
「ゴミはいっぱいあるけどー!」
と修二が言うと、
「もっと下流のほうに行かなきゃダメだよー!」
「ここじゃあー!?」
と健介が言ったのでした。

「そうだ!!」
「海ならいっぱい石が転がってる!!?」
「海に行くかあー!??」
と修二が言うと、
「行くのはいいけどさあー!?」
「海は川より波が大きいから!?」
「うまく”水切り”できないぜえー!?」
と健介が言ったのです。

「もうじき夕方だから!?」
「昼間より波は、きっと少ないさあー!?」
「行こう!行こう!!」
と修二は言うと、
自転車を置いてあるところに急ぎ足で戻って行ったのです。
あわてて健介も、あとを追いかけて行ったのでした。

ふたりは自転車に乗り、
30分ほどかけ、海まで行ったのでした。
海水浴場の堤防の入り口の石段のところに着くと、
修二はすぐに自転車を降り、
石段を駆け上がって行ったのです。

「いっぱい石があるなあー!?」
「思っていたより波も静かだぞー!!?」
「これなら何百回も水切りできるなあー!?」
と言って振り向くと、
健介が一生懸命自転車を抱えて、
石段を一段ずつ上がってきていたのです。

「どうする気だあー!??」
と修二が言うと、
「こんなとこに置いてたら盗まれちゃうよー!?」
「近くまで持って行かなきゃー!?」
と健介が顔を真っ赤にして、汗を出しながら言ったのでした。

「ええー!??」
「波打ち際まで持っていくのかよー!??」
と修二が言うと、
「あたり前だろー!?」
「修二も早くもってこいよー!?」
「盗まれたくないなら!?」
と、健介が言ったのです。

「しょうがないなあー!?」
とひとこと修二は言うと、
急いで石段を降り、自分の自転車を抱え、
健介と同じように汗を出しながら、石段を上ってきたのでした。

「自転車のチェーン錠を縛るとこがあればいいんだけどなあー!?」
「この階段下りたらいいにしようぜー!?」
「波打ち際まで行くには30mはあるしー!?」
「2台まとめてチェーン錠で縛ってけば、持って行くヤツもいないよー!?」
と修二が言うと、
「そうするかあー!?」
「重たいしなあー!?」
と健介も笑いながら、そう言ったのでした。

そしてふたりは自転車を海側の石段の下まで降ろすと、
2台をチェーン錠で縛ったのでした。

「よーしこれで”OK”!」
と言ってふたりは顔を見合わせると、
「よーいドン!!」と言って、
波打ち際まで走って行ったのでした。


「この続きを読んでやってもいいよ!」
と思っている方は、次へ (NEXT)をクリックしてくださいね






▲Top