本来コーヒー紅茶などをお出しし御もてなししなければいけませんが、
インターネットの都合上それができません。
ご自分で好きなものを好きなだけ用意していただき、
キーボードなどの上にこぼさぬよう注意して、
ときどき飲みながらでもお読みくださいませ。 m(_ _)m
「あれ?お父さんどこ行ってたのー!??」
と修二が言うと、
義雄は修二を手招きして小さな声で、
「お母さんには内緒だぞー!」
「お父さんも今、厳(きび)しいから!?」
そう義雄は言って、
5千円札を修二に手渡したのでした。
「ありがとう!!?」
「持つべきものは父親だねえー!?」
とニコニコしながら言うと、
「じゃあ!ゆっくり野球見てて!!?」
「俺あした早いから!?」
そう言うとうれしそうに、
2階の自分の部屋へと階段を上がって行った修二でした。
すぐに修二に向かって義雄が、
「しゅうじー!風呂はー!??」
と言うと、
階段を上りながら、
「お姉ちゃん出たらすぐ入るよー!?」
と答えた修二でした。
それから1時間ほど経つと、美加が風呂から出てきたのです。
美加は台所に行き、
「お母さん!?」
「次、誰入るのー??!」
と美津子に向かって言ったのでした。
「修二が入るって言ってたみたいだけどー!?」
「お父さんに訊(き)いてみてー!?」
と答えた美津子でした。
「はーい!」
と言うと美加は、すぐに居間に行き、
義雄に訊いたのです。
義雄から次に修二が入ると聞いた美加は階段の下に行き、
「修二お風呂出たからあー!?」
「あなた先に入るんでしょう!??」
と言ったのでした。
「うん!」
「今行くー!!?」
とすぐに返事をした修二でした。
修二はいつもより長く風呂に入り、
風呂を出るとすぐ台所に行ったのです。
「お母さん!?」
「あしたは7時には起きるから!?」
「ご飯の支度しといてねっ!!?」
と修二は言うと、自分の部屋へ行き、
忘れ物がないか確認すると、すぐに寝たのでした。
翌朝、学校へ行っているときはぎりぎりまで寝ているくせに、
休みの日で、しかもただで旅行できる修二は、
6時ちょっと前には起きてしまったのでした。
「6時って!もうこんなに日が差しているんだあー!??」
と言ってカーテンを開け、
それから窓を開けると、思いっきり深呼吸したのでした。そして、
「今からもう一度寝るってわけにもいかないしー!?」
「顔を洗ってくるかあー!?」
と修二は言うと、先に着替えを済ませ、
すぐに洗面所に向かったのでした。
洗面所に行くと、
ちょうど美津子が出て来たところでした。
「お母さん、おはよう!?」
と修二が言うと美津子が、
「きょうは早いのねえー!?」
とびっくりしたように言い、そして、
「ふだんからいつもこんなふうに!」
「起こしにいかなくてもいいようにしてほしいわねえー!?」
と少し笑いながら言ったのでした。
「きょうは人と待ち合わせしているから!?」
「遅れちゃまずいでしょう!?」
「俺だって!そういう時はそれなりに起きるよー!?」
とえらそうに、修二は言ったのです。
それから顔を洗い歯を磨き、
ドライヤーとムースを使い、いつもより時間をかけ、
頭をかっこよくセットしたのでした。
美津子は予想より修二が早く起きて来たので、
あわてて、朝の食事の支度を始めたのです。
そして、修二が洗面所から出て来る頃には、
ご飯も炊き上がり、
ガス炊飯器からジャーに移し替え終わったのでした。
修二と美津子がいっしょに朝ご飯を食べていると、
美津子が修二に向かって、
「お昼ご飯のお金やお小遣いあるのー??!」
と修二の顔をじっと見ながら言うと、
「う、うん!」
「何とかねっ!」
と言ってから、
「お母さん!?少しくれるのー??!」
とうれしそうに修二が言ったのです。
「あなたさあー!?お父さんからお小遣いもらったんじゃないのー??」
と美津子が言うと、
「なんだあー!?」
「知ってたのかあー!??」
と思わず修二が言ったのでした。すると、
「やっぱりねえー!?」
「お父さん!子供には甘いんだからあー!?」
と美津子がうれしそうに言ったのです。
「なんだあー!!?」
「鎌(かま)を掛けたのかあー!??」
「俺って正直だから、嘘つけないんだよなあー!?」
と言ってから、
「ご馳走様でしたー!」
と言ってイスを引き、立ち上がった修二でした。
「ところでしゅうじー!?」
「お父さんからいくらもらったのー??!」
「正直にいいなさいよー!?」
と美津子が言うと、
「5000円!」
と修二が言ったのです。
「そんなにー!!??」
「だったら、わたしからはいらないわねっ!!」
とあきれたように言い、
「ご馳走様でした!」
と言うと、立ち上がり、片付けを始めた美津子でした。
「やっぱり!!?」
と修二は言うと、
自分が食べた終えた食器を流しに持って行き、
「じゃあー!いってきまーす!!?」と言ったのです。
そして美津子が「いってらっしゃい!?」と言うと、
急いで台所をあとにしたのでした。
それからすぐ、居間のテレビできょうのお天気を確認してから、
玄関を出ると自転車に乗り、
修二はまだ時間に余裕があるので、ゆっくり駅へと向かったのでした。