妙なこと 第十八話 (3)

しばらく黙って食べていた修二でしたが、
思い出したように、
「今食べてる焼きそばで思い出したんだけどー!?」
「むかし、健介んち家(うち)で!?」
「焼きそば食べたことがあったんだけどさあー!?」
「キャベツのほかに魚肉ソーセージと桜えびが入ってたよー!?」
「桜えびは、静岡の親戚の家から送ってきたんだってえー!?」
「確かに”うまいだし”が出てて、味はよかったんだけどさあー!?」
「桜えびのヒゲって言うのかなあー!??」
「それが口の中で刺さって、痛かったよー!?」
と、少し笑いながら言ったのです。

「へえー!?そうなんだあー!??」
「桜えびの入った焼きそばは食べたことないけどー!?」
「生の桜えびをお刺身で食べたことがあるわ!?」
「ヒゲって言うかトゲみたいなのが気になって!?」
「おいしいとは思わなかったわよー!?」
「修二の言いたいことは、なんとなくわかるわっ!」
と言って、美津子も少し笑いながらそう言ったのでした。

「甘エビなら殻を取って身だけ出して食べれるけどー!?」
「桜えびじゃあー!?」
「小さすぎて!!?」
「身だけ取り出すのめんどくさいよねっ!」
と、ニコニコしながら修二が言ったのです。すると、
「ホントだわねっ!」
「すごく時間かかりそう!!?」
と、美津子もニコニコしながら言ったのでした。

ふたりはそんな話をしながら焼きそばを食べ終わると、
「ご馳走様でした!!」
と言って、食べた終えた食器の後片付けをし始めたのです。
修二はすぐに、箸と皿とコップを持って流しの中に置いたのでした。

「修ちゃん!?」
「午後はどこか行くのー!??」
と美津子が訊くと、
「きょうは健介が来ることになってるから!?」
「ふたりでギターの練習するー!」
と修二が言ったのでした。

「そう!」
「がんばってねえー!?」
と美津子は言うと、
流し台のところ立ち、食器などを洗い始めたのです。
そして、美津子は小さな声で、
「いつまで続くかしらねえー!?」
と、そう言ったのでした。

「お母さん!!?」
「なんか言ったあー!??」
と修二が言うと、
「別にー!!?」
と答えた美津子でした。

「しゅうじー!?」
「お部屋ちゃんと片付けてあるのー!??」
「みっともないからちゃんとしてよー!?」
と美津子が言うと、
「分かてますよー!?」
「ちょちょちょいと片付けちゃうからさあー!?」
と言うと、1時少し前に自分の部屋へ向かった修二でした。

午後1時半過ぎに健介が自転車に乗り、
ギターを持って修二の家にやって来たのです。
玄関に着くと、
「ピンポーン!?」
とチャイムを鳴らしすぐにドアを開け、
「こんにちはー!?」
と言ったのでした。

台所から美津子が、
「はーい!」と言うと、
すぐに修二が、二階の自分の部屋から下りて玄関に来たのでした。

「お母さーん!」
「健介が来たあー!?」
と台所の方に向かって言うと、
美津子がすぐ玄関にやって来たのでした。

「おばさん、こんにちはー!?」
「おじゃましまーす!?」
と健介が言うと、
「いらしゃーい!?」
と美津子がニコニコしながら言ったのです。

「これ!?3時のおやつ用に買ってきたんですけどー!?」
と言って、
紙の箱を美津子の目の前に出したのです。すると美津子が、
「健ちゃん。気を使ってくれてありがとうねっ!?」
「じゃあー!せっかくだから遠慮なく!?」
と言って、その紙の箱を受け取ったのでした。

「一応、お姉さんの分も買ってきたんですけどー!?」
「4個」
と健介が靴を脱ぎ玄関を上がり言うと、
「お姉ちゃんはいいよー!?」
「でもせっかくだから、ふたりで半分ずつしよう!?」
と修二が言ったのです。

「健ちゃんが気を利かせて買って来てくれたんだから!?」
「美加に見せないと!」
と美津子が言ったので、
「それもそうだなっ!」
「お姉ちゃんに、あとで何言われるかわからないしー!?」
と言って、舌を出した修二でした。

「しゅうじー!?」
「窓閉めて練習してよー!?」
「近所迷惑だから!?」
と美津子が言うと、
「おばさんきついなあー!?」
「まあヘタなのは認めるけどー!?」
と言って、健介が笑ったのでした。

「ホント!そういう言い方はやめてくれないかなあー!?」
「前途ある若者に対してさあー!?」
と修二が言うと、
「前途ある若者ねえー!?」
「ギターに関しては、前途多難のほうかも??!」
と美津子が少し笑いながら言ったのでした。

「わかりました。わかりましたよー!?」
「窓。閉めりゃあー!?いいんでしょ!!?」
「始めたばっかりなんだから、うまくないに決まってるじゃん!!」
と修二は言うと、
「健介行こうー!!?」
と言って階段を上がっていったのです。
そしてすぐに健介も、階段を上がっていったのでした。

美津子はふたりが修二の部屋に入った後、
台所に戻ってイスに座ると、
「だって!ほんとにヘタなんだもの!?」
と真実を言ったのでした。(あじゃあー!!)






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