妙なこと 第十八話 (5)

「おいしいわねっ!」
「このシュークリーム!!?」
と美津子が言うと、
「家の近くの店で買ってきたんですけど!?」
「コンビのほうが種類は結構あるんですけどー!?」
「通り道だったから!?」
と健介が言ったのでした。

「そういえば最近スーパーはよく行くけど!?」
「コンビニへは行かないわねえー!?」
「別にこれといって買うものもないし!!?」
と美津子が言うと、
「お母さんは少しでも安いところを狙ってるから!?」
「コンビニは関係ないんだよー!?」
と言って、美津子の横に置いてある広告を見ながら言ったのでした。

「そういえば最近、うちのお母さんも!?」
「広告を一生懸命見ているなあー!?」
と健介も、美津子の横に置いてある広告をチラッと見て、そう言ったのです。

「主婦はねっ!」
「1円でも安いところに出かけるのよー!?」
と美津子が紅茶を飲み言うと、
「軽でガソリンを使って行くんじゃー!?」
「1円ぐらい安くてもしょうがないじゃん!!?」
と修二が笑いながら言ったのでした。

「”1円でも安い”って言ったってえー!?」
「それはたとえでしょう!」
「そのぐらいわかんないかなあー!??」
「高校生にもなってえー!?」
と美津子があきれたように言うと、
「俺って素直だから!?」
「言葉通り受け取っちゃったんだよー!?」
と苦笑いして、修二が言ったのでした。

「ところで修ちゃんさあー!?」
「今練習している曲だけどー!?」
「スピッツのチェリーだわよねえー!??」
と美津子が言ったのです。

「そうだけどー!?」
「むかし、お姉ちゃんもよく聴いてたじゃん!!?」
と修二が答えると、
「すごーくテンポ遅いような気がするんだけどー??!」
と美津子が言ったのでした。

「あのねえー!?」
「ギターって!」
「曲に合わせて、右手と左手を動かすんだよー!?」
「左手のコードを押さえるテンポが早くできないから!?」
「当然全体的に遅くなるんじゃん!!?」
と修二が言ったのでした。

「やっぱりねっ!」
「それならいいんだけど!?」
と美津子は言ったあと、
「これからお母さん買い物に行くから!?」
「お留守番しててちょうだいねっ!」
「どうせ健ちゃん夕方までいるんでしょ!?」
「お夕飯食べて行きなさいよー!?」
と言ったのです。

「そうしろよー!健介!!?」
と修二が言うと、
「うーん!?どうしようかなあー!??」
「”夕飯までには帰って来るって!”言ってきたんだけどー!?」
と困ったように健介が言ったのです。すると美津子が、
「きょう牛肉が売り出しだから!?」
「”すき焼き”にしようと思ってるんだけどー!?」
と言ったのです。

それを聞いた健介はすぐ、
「じゃあー!お言葉に甘えて!?」
「お夕飯ごちそうになりま−す!!?」
とうれしそうに言ったのでした。

「返事早いなあー!!?」
と修二がニヤニヤして言うと、
「すき焼きを断ることはできないでしょう!!?」
「修二が俺の立場だったらー!??」
「断るかあー??!」
と健介が言ったのです。

「断るわけないじゃん!!?」
「それは当然の判断です!!」
とうれしそうに修二は答えたのでした。

「じゃあー!お願いねっ!!?」
「おやつが済んだら、食器は洗い桶につけておいてねっ!」
「買い物から帰って来てから洗うから!?」
と美津子は言うと、
自分が飲み終わった食器を持って、
台所に向かったのでした。

「じゃあ!さっそく電話するよー!?」
と健介は言うと、
ポケットから携帯を取り出し、
母親の携帯に電話したのでした。

すぐに健介の母親から折り返し電話が掛かってきたのです。
「お母さん!」
「健介っちおばさんからでんわー!?」
と玄関の電話を取ると、
修二が台所に向かってそう言ったのでした。
美津子はいったん食器を流しに置くと、
急いで電話に出て、話をしたのでした。

美津子は電話が済むと、
台所の流しに洗い桶を置き、水を溜め食器を入れると、
手を拭き、夫婦の部屋に行ったのでした。
そして化粧台のイスに座り、
簡単に化粧をしてから、
軽に乗り、スーパーへと買い物に出かけたのでした。






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