ブログ小説 妙なこと 第八話 (1)

修二の姉の美加が、家庭教師をやっている友達の純一の、
期末テストの成績がものすごく上がったので、
それに刺激を受けた修二と親友の健介が、勉強しだしたのでした。
夏休みに入ってからふたりは、図書館で勉強するようになったのです。
美加のアドバイスがあったからでした。
今日も朝、図書館の前で待ち合わせしたのです。

「もしもーし!修二!?俺!。」
「今、そっちに行く途中で、パンクしちゃったから、
先に入って席とっといて!?。」
と、健介からの電話でした。
「おおーいいけど!、ケガなかったかあー??!」
と、修二が言うと、
「うん!ケガはなかったけど、びっくりしたよー!!。」
「とにかく自転車をひいて、図書館まで持ってくから!?。」
「じゃあな!。」そう健介は言うと、携帯を切ったのでした。

健介からの電話が切れると、じきに図書館の入り口が、開いたのです。
前からいつも、10番目以内にはいたので、席は余裕で取れたのです。
いつもだいたい同じところに、座ったのでした。
修二は隣の席にバッグを置くと、健介が来るのを待ったのです。
バッグから、ノート、教科書、参考書、メモ帳、筆入れを出すと、
きのうの続きから、やり始めたのでした。
しばらくすると、健介がやって来たのです。

「ごめん!」と、健介が汗をかいた顔で言うとすぐ、
修二が口のところに、立てた人差し指を持ってきたのです。
するとすぐに健介も親指と人差し指でわっかを作り、
”OK”のサインを送ったのでした。
けっこう音や声に対してうるさい図書館で、しかも”ちくる”子がいたので、
修二が気を使って、サインを送ったのです。
図書館に通い始めてもう何人か、途中で出された子を、
ふたりとも見ていたのでした。

何か話したいことがあると、メモ帳に書いて、筆談をしたのです。
なぜか筆談のほうが、そんなに面白いことでもないのに、
笑えることが、多かったのでした。
そして、簡単な漢字以外はすべてひらがなで筆談したのです。
ひらがなが一番早く書けたからでした。
「しゅうじー!おそくなって、わるかったなあー!?。」
「いいよーそんなこと!!」
「あの子ちらっと、こっちみたぞー!!」
「きをつけよーな!!!」
と、修二と健介は交互に書いて、筆談したのです。

「めがねとれば、けっこうかわいいと思うけどなあー??!」
と、修二が書けば、
「もうちゃんと勉強しようぜ!!」
と、健介が書いたのです。そして、
「OK」と修二が書くと、二人は勉強を始めたのでした。
お昼になると、近くの公園に行き、
ふたりとも、お母さんにおにぎりを作ってもらい、
プラスチック容器に、おかずを入れてもらって食べるのが、
小学校のときの遠足を思い出して、けっこう気に入っていたのです。

「なあー!時間が経つのが早いなあー健介!?。」
「もう!一週間たったよー!!?。」
と修二が言うと、
「ほんとだなあー!?あっという間だよー!!?」
「夏休み、こんなに勉強したことないやー!!?。」
「お姉さんも、京子さんとふたりで、夏休みに勉強したっていうけど、
同じだったのかなあー??!」
と、健介が言ったのでした。

「お姉ちゃんと京子さんはふたりとも女だから、
自分でおかずもおにぎりも作ったんだよー!!?。」
「けっこう楽しんで作っていたみたいだよ!。」
「俺が夏休みだから、ついていこうとしたら、
”だめだ”って言われたことを思い出したよ!!?。」
「俺なんかがついていったらきっと、
すぐに図書館から追い出されていたよ!!。」
と、修二は、笑いながらそう話したのです。

昼を食べ終わると、また図書館に戻ったのでした。
午後はお腹がいっぱいになったので、
ふたりはいつも、”ウトウト”としてしまうのです。
お互いに気をつけているのですが、どうしても眠くなるときは、
トイレに駆け込んで、洗面所で顔を洗い、また戻ってくるのでした。
何回かすると、次第に眠気が消えるのです。
図書館に通い始めた頃、修二は、”トイレに行く”って書いて、
そのまま、トイレで寝てしまったことがあったのでした。

「もう6時だよー!?健介帰るかあー?!。」
と、修二がメモ帳に書くと、
「カエルは鳴いてないけど!帰るかあー!?。」
と、健介が書いたのです。
「相変わらず!つまんねえシャレ言うなあー??!。」
と、ニコニコしながら書いたのでした。
ふたりは、それから帰りのしたくをすると、
いつも、メモった紙をくずかごに捨てて、図書館を出たのでした。

「じゃあなあー!あしたは休みだから!!?。」
「いつもの時間に、駅前で!!。」
と、修二が言ったのですが、
「自転車パンクだからどうする?!。」
と、健介に訊くと、
「何とかするよー!?。」
「心配すんなよー!!?。」
と、笑いながら答えたのでした。

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