ブログ小説 妙なこと 第十六話 (1)

「しゅうじー!?」
「起きなさーい!!?」
と母の美津子(みつこ)が大きな声で、
階段の下から二階の修二に声をかけたのです。

「あーん!?もうそんな時間!??」
と言って目覚まし時計を見た修二でしたが、
「まだ30分も早いじゃん!!??」
と言ってもう一度寝ようとしたのでした。すると、
「雨降ってるから!?早く出なきゃだめでしょー!!?」
「早く起きなさい!!?」
と美津子が怒ったように言ったのです。

ドアを開け、「起きたあー!!」と大きな声で言うと、
「ああ、あー!?しょうがない起きるかあー!?」
そう言って修二は、
寝ぼけ眼(まなこ)で着替えを始めたのでした。

着替えを済ませ、カバンを持ち階段を下りると、
玄関マットのところにカバンを置き、
目をこすりながら洗面所へ向かった修二でした。

食堂に来て、
「お父さんは!??」と修二が言うと、
「もうとっくに出かけましたよー!?」
「あなたも早く食べて出かけなさい!!?」
と美津子が言ったのです。

まだ寝ぼけた顔をして修二が、
「お姉ちゃんはいいよなあー!?」
「大学生だしなあー!?頭いいしー!?」
「雨のときは駅まで送ってもらえるから!?」
と言ったのでした。

「あなたはバス停まで近いでしょ!?」
「そんなことより早く食べてえー!?」
と美津子にせかされた修二は、
お椀(わん)を持つと味噌汁をすくい、
席に座ると、
「いただっきまーす!!?」
と言って、朝食を食べ始めたのでした。

「傘!折りたたみのを持っていくでしょ!!??」
と美津子が言うと、
「うん!?だってビニール傘、もうないんだもん!?」
「折りたたみ持って行くしかないじゃん!!?」
と修二が言ったのです。

「まったくもう!?すぐなくすんだから!?」
「ビニール傘だって、ただじゃないんだからねえー!?」
と美津子が言うと、
「しょうがないじゃん!!?」
「持ってかれちゃったんだからあー!?」
「ツイテなかったんだよー!?」
と修二が言ったのでした。

「そういう問題じゃないでしょ!!?」
「まったくー!?たち(性質)のよくない子がいるんだからあー!?」
「雨降っているのに傘差さずに来て!?」
「帰りはひと(他人)の傘を持って行くなんて!!?」
「修二なくさないでよー!?」
と美津子が不満そうに言ったのです。

「わかってます!わっかってます!!?」
と言うと、急いでご飯をかっ込んだ修二でした。
そして食事を終え、
「ご馳走様でした!!?」
と言うと、テーブルの上においてある梅干のビンを開け、
梅干を1個手でつかみ、口の中に放り込んだのです。

「すっぺえなあー!?」
「しゃきっとするねえー!!?」
と言うと、梅干をつかんだ指をなめながら、
玄関めがけて早足で歩いて行ったのでした。

すると後を追いかけ美津子が玄関に来たのです。
「修ちゃん!?ほんとにもう無くさないでよー!?」
「今度無くしたら、自分で買いなさい!!?」
と美津子が言ったのでした。

「わかってます!わかってますって!!?」
「教室まで持って行くから!?」
と修二は言うと、
ドアを開(あ)け、傘を開(ひら)き、
「行ってきまあーす!!?」
と言って家(うち)を出たのでした。

「何、大騒(おおさわ)ぎしているのよー!?」
「きょうゆっくりできると思ったのにー!?」
と言って、
二階の自分の部屋から階段を下りて玄関のところに来た、
長女の美加(みか)でした。


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