妙なこと 第十八話 (4)

「しゅうじー!?」
「同好会。入れるかなあー!??」
と健介が言うと、
「どうなるかわかんないなー??!」
「第一、1年の最初からやってないしー!?」
「まだうまく指動かないから!?」
「コードを楽に引けなきゃ!」
「リズムも”きざめない”からなあー!?」
と修二が言ったのでした。

「やっぱり、先輩が言ったように!?」
「毎日1時間はやらなきゃダメかもなあー!?」
「3時間やっても?」
「土日だけの練習じゃあー!?無理かなあー!??」
と、健介が言ったのです。すると、
「うーん??。勉強あるしー!?」
「1時間以上もギターだけに毎日に割(さ)くなんて無理だよー!?」
「でも指ってなかなかうまく動かないもんだなあー!??」
と修二が言ったのでした。

「先輩が教えてくれたように歌いながら弾いてたら!?」
「一応、循環コードできるようになったけどさあー!?」
「ふたりともまだ歌のテンポ遅いよなあー!?」
と、笑いながら修二が言うと、
「スピッツのチェリーだけでもこれだけかかってるんだから!?」
「ほかの曲を覚えるとなるとー!?」
「高校だけじゃ無理だよー!?」
「大学入っても続けなきゃー!?」
と健介が苦笑いして言ったのでした。

「とにかくふたりでいっしょに歌いながら!?」
「合わせてやってみようぜー!?」
と修二が言うと、
「せーのー!」
と言ってから、
ふたりはいっしょにゆっくりと歌い、
左手のコードを見ながら、ギターを弾いたのでした。

居間で新聞を読みながら、(主に広告を見ていると思うんですけど・・・)
「やっているわねえー!?」
「歌歌っているんだか!?」
「ギターほんとに弾いてるのかわからないけどー!?」
と笑いながら美津子は言うと、
「歌ってる曲って!?」
「スピッツのチェリーだわよねえー!?」
「でもあんなにテンポ遅かったかしら!??」
と言ったのでした。

「”F”ってー!」
「まだきっちり押さえれないんだよなあー!?」
と健介が言うと、
「俺もだよー!?」
「指痛いしー!」
と修二が言ったのでした。

「チェリーで使ってる!」
「C・G・Em(イーマイナー)・Am(エーマイナー)・Fだけ」
「憶えるんだって大変なのにー!?」
「ほかのメジャーコードやマイナーコードも覚えなきゃなあー!?」
「あと!C7やB7のセブンスコードも覚えなきゃならないしー!?」
と健介が言うと、
「そういえば!」
「セブンスコードの中にー!?」
「ウルトラセブンっていうコードは、なかったなあー!??」
と修二がとぼけて言ったのです。すると、
「まったく、よく言うよー!?」
と言って、健介が笑ったのでした。

「もう1ヶ月も練習しているんだから!?」
「ほぼチェリーは完成かなー!?」
と修二が言うと、
「1ヶ月って言ったってえー!?」
「実質は!」
「3時間掛ける8日で24時間しか練習してないんだぞー!!?」
と健介が言ったのでした。

「まあー!そう言われるとそうだけどさあー!?」
「もう飽きたよー!?」
「ほかの曲やろー!!?」
と修二が言うと、
「先輩が”OK”って言わなきゃ次に進めないんだから!?」
「とにかくもう少し早く弾けるようにしなくちゃあー!?」
「練習練習!!」
と健介が言ったのでした。

「わかったよー!?」
と修二が答えると、
ふたりはまた最初からチェリーを歌いながら、
何回もギターを弾いて、練習を続けたのでした。

そして時間は過ぎ、
3時になったので美津子はおやつの支度をしたのでした。

美津子は階段の下から、
「3時だから少し休憩したらー!?」
「居間に支度したから!?」
と大きな声で言ったのです。
するとすぐにふたりは、
「はーい!!」と答えると、
階段を下りて居間に来たのでした。

「紅茶にしたけど!?」
「コーヒーのほうがよかったあー??!」
と美津子がふたりに向かって言うと、
「いいえ!紅茶でいいです!!?」
と健介が言ったのです。そして、
「飲めれば!なんでもいいよー!!?」
「いっただっきまーす!!」
と修二が言ったのでした。

「しゅうじー!!」
「健ちゃんも!?」
「ふたりとも先に手を洗ってらっしゃい!!」
と美津子が言うと、
「すっかり忘れてたー!?」
と修二が言い、
「はーい!」
と健介が言ったのでした。

ふたりは急いで洗面所に行き、
手を洗うと、即行で居間に戻ってきたのでした。
そして紅茶を飲み、おいしそうにおやつを食べたのでした。






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