携帯によろしく 第十六章(1)

一平が育子の携帯にメッセージを入れた時には、
まだ育子は電車に乗っている途中だったのです。
電車がホームに着くと、育子はすぐに一平に電話したのでした。

「もしもしー!一平ちゃん!?」
「今、駅に着いたのー!!?」
と育子が言ったのです。そして、
「意外と早かったねえー!?」
と一平が答えると、
「じゃあー!?すぐ行きまーす!!?」
と言って、携帯を切った育子でした。

育子はルンルン気分で、
一平の待っている駅の入り口まで行ったのです。
それからふたりはスーパーに寄り、
買い物を少ししてから、
話をしながら歩いて、一平のマンションへと帰ったのでした。

玄関を上がり振り向き、
「一平ちゃんロックしてねっ!」
と育子が言ったのです。すると一平が、
「ロックしたよ!!」
とすぐに答え、そして、
「これ冷蔵庫へ入れればいいよねえー!??」
と言って、スーパーの袋を持ち上げたのでした。

「うん!」
「ありがとう!!」
「じゃあーわたし。部屋の空気入れ替えるからあー!?」
と育子が言ったのです。

育子は台所の窓を開けたあと、
すぐに2つの部屋に行き、
それぞれの窓を開け空気を入れ替えたのでした。
そして、朝セットした風呂のタイマーを確認しに、
風呂場へと向かったのです。

風呂場から出てきた育子は、
タオルで手を拭きながら、
「一平ちゃん!?」
「お風呂沸いてるから、入れるわよー!?」
「すぐ入るー??!」
と言ったのでした。

すぐに一平が、
「育ちゃんはー!??」
と言うと、
「家計簿付けなきゃならないからあー!?」
「あとにするわー!?」
と育子は答えたのでした。

「そうかあー!?」
「じゃあー!?俺先入るよー!?」
と言うと一平は、
パソコンの部屋に着替えをしに行ったのです。
そして育子も、先に着替えをしに、
テレビの部屋へと向かったのでした。

ふたりはそれぞれ着替えを終えると、
一平は洗い物と着替えの下着を持ち風呂場へと向かい、
ジャージに着替えた育子は、台所のテーブルのイスへと向かったのです。
一平は洗い物を洗濯機に放り込むと、すぐに風呂へと入ったのでした。

育子は家計簿を付けながら、
「やっぱり!わたしのワンルームの分だけもったいないわねっ!!」
と言ったのです。
そしてしばらくして家計簿を付け終えると、それを閉じ、
すぐに引き出しにしまったのでした。

育子はイスを引き立ちあがると、風呂場へと向かったのです。
「一平ちゃん!湯かげんどおー??!」
とドアの前で言うと、
「きょうはいつもの緑のバスクリンと違うんだあー!?」
「どうしたのー?これっ??!」
と一平が言ったのです。

「これねえー!?」
「前にもらったのを持ってきておいたのー!」
「どんな感じー??!」
と育子が言うと一平が、
「うーん?」
「どんな感じって言われてもなあー?!」
と言って、一呼吸おいてから、
「いっしょに入れば、どんな感じかわかるよー!!?」
「育ちゃん!お風呂は入らないのー??!」
と言ったのでした。

育子は、
「わかったわっ!!?」
「じゃあー!?入るー!!」
と言ってから、
「一平ちゃん!まだ出ないで待っててねえー!?」
「すぐ着替え持ってくるから!?」
とうれしそうに言ったのです。
そしてすぐにテレビの部屋に着替えを取りにいった育子でした。

育子の返事を聞いた一平は、
バスタブの中で小さくガッツポーズをし、
「よっしゃあー!!」
と言ったのでした。

育子は新しい下着とパジャマを持ってくると、
それらを脱衣かごに置いたあと、ジャージを脱いだのです。
洗い物を分けると、洗濯機に入れたのでした。
それから洗剤と柔軟材と漂白剤を入れ、スイッチを押したのです。
そしてすぐに風呂場のドアの前にいったのでした。

「一平ちゃん!?」
「今から入るけどー、向こう向いててねっ!!?」
と育子が言うと、
「はーい!!」
と言ったあとすぐドアと逆方向を向き、
「今後ろ向いたから!?」
「いつでもいいよー!!?」
と、ものすごーくうれしそうな返事をした一平でした。


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