携帯によろしく 第五章(1)

「育ちゃん!どこ行きたい?!」
「育ちゃんの好きなところへ、行こうよ!??」
と、一平が言うと、
「別に、どこって、行きたい所はないのよねー!?」
「一平ちゃんといるだけで、幸せだから!」
と、育子は言ったのです。
「俺も同じだよ!」
と、一平も言ったのです。(話が進まないじゃん!??)

「そうねえー!??じゃあヨーコ誘っていいかしら?!」
と、育子が言うと、
「もちろんいいけど!?」
「でもなあー?!俺たちカップルで、洋子さんひとりじゃあー!?」
「うーん待てよ!?」
「洋子さんって、どんな男の人がタイプかなあー??!」
と、一平が育子に言うと、
「そうねえー!?がっちりしたスポーツマンタイプかなー?!」
「たぶん!?」
「あとは、神経質でない人かなあー!??」
と、答えたのです。

「それと好きな俳優は、オダギリジョーねっ!」
「タイプだっていつも言ってるもん!!?」
と、育子が言うと、
「スポーツマンタイプで、神経質でない人、っていうのは合ってるけど!?」
  「オダギリジョーかあー?!」
「そこんとこがちょっと違うけど!!?」
「洋子さんに、会社の先輩紹介したいけど、どうかなあー??!!」
と、一平が言ったのでした。

「そうねえー!?2対1より2対2のほうがいいものねえー!?」
「ヨーコには、”もしかすると、
いっしょに誘うかもしれないから”って言っておいたけど!?」
「きょう連絡とれるの?!その、会社の先輩って人!?」
と、育子が言うと、
「今から連絡してみるよ!」
「名前は、二宮泰三って言うんだ!!」
と、一平は言ったのです。
「にのみやたいぞう!?」
「昔の武士みたいな名前ね!」
と、少し笑いながら、育子が言ったのでした。

一平は、すぐにパソコンのところまで携帯を取りに行って、電話をしたのです。
「先輩!?一平でーす!」
「いい子紹介しろって言ってたでしょう!?」
「紹介しますよ!いい子!!」
と、一平が言うと、
「今さっき起きたばかりだよー!一平!?。」
「急にそんなこと言われたって、俺にだって、準備ってものがあらー!?」
と、泰三が言ったのでした。

「そんなこと言ったら、チャンス逃しますよ!!?」
と、一平が言うと、
「わかったよー!?」
「で!どこで待ち合わせするんだ??!」
と、泰三が言ったのです。
「どこで?」「あっ!??」
「ちょっと待ってください!」
と一平は言うと、急いで育子のところに走って行ったのでした。

「育ちゃん!ところでどこ行く?!どこで待ち合わせる!??」
と、一平があわてて、携帯のマイクのところを手で押さえ言うと、
「30分したら、また電話しなおすからって言って!!?」
と、平然と育子が答えたのです。
「わかった!」と、一平は言うと、携帯のマイクのところから手を離し、
「先輩!30分したら掛け直しますから!?」
「それまでに、したくしておいてください!」
「じゃあー!?」
と言うと、電話を切ったのでした。

一平は、「フー!!?」と、一息入れると、
「これでOKだ!」と、言ったのです。
「じゃあー!ヨーコに電話いれるから!?」
と、育子は言うと、携帯から電話したのでした。
「ヨーコ!わたし!?」
「きょう、ちょっと会ってもらいたい人がいるんだけど!??」
「これから出れるー??!」
と、育子が言うと、
「きょうもう掃除も洗濯もしたから、いいわよー!?」
「誰??!」
と、洋子が言ったのです。

「うーん!?一平ちゃんの会社の人!」
「オダギリジョーに似ているんだって!!?」
と、育子が言うと、
すぐ一平が、手で”違う違う”と合図を送ったのですが、
育子はそれを無視して、
「好みでしょー!?」と、言ってしまったのです。
「30分したら、また詳しいことは電話するからね!」
と言うと育子は、電話を切ったのでした。


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