本来コーヒー紅茶などをお出しし御もてなししなければいけませんが、
インターネットの都合上それができません。
ご自分で好きなものを勝手に用意していただき、
キーボードなどの上にこぼさぬよう注意して、
ときどき飲みながらでもお読みくださいませ。 m(_ _)m
ふたりは病院に着くと、
いつものようにエレーベーターに乗り、
7階まで行き、ナースステーションで会釈をすると、
前を通り、病室に入ったのでした。
ふたりが入ってくると、母の菊枝がイスから立ち上がり、
「だいぶ時間がかかったんですねえー!??」
「ふたりの声を優に聞かせてやってくださいね!?」
と言ったのでした。
「マイクを買ったりしていたもので!?」
「時間がかかってしまいました!?」
「すいません!?」
と言って一平は菊枝に向かってお辞儀したのです。
そして一平は、
「では小百合さん!?セットしてください!??」
と言ったのでした。
「はい!?」
と小百合は答えると、ベットのところに行き、
今入っているCDと入れ替えたのです。
そしてスイッチを入れ、優からヘッドホンをはずし、それを自分の耳にあて、
録音した声がちゃんと聞こえるか確認したのでした。
すぐに巻き戻すと、
「きれいに聞こえてます!?」
と言って、再び優にヘッドホンをあてがったのです。
それから小百合は、折りたたみイスを2脚持ってきて広げ、
「一平さん!?お座りになってください!?」
と言ったのでした。
「ありがとうございます!。」
と一平は言いイスに座ったのです。
すぐ隣に小百合も座ったのでした。
ちょうどベッドを挟んで菊枝と一平が向かい合ったのです。
「あした小百合さんがお見合いだそうですね!?」
「俺はきょう・あした休みなので!?」
「あしたの支度(したく)もあるでしょうから!?」
「お帰りになって支度をしてください!?」
「面会時間が終わるまでここにいますから!?」
と一平が言ったのでした。
「一平さん!?お気づかいなさらなくても、よろしゅうございますわ!?」
「お見合いは11時までにホテルに行けばよいので!?」
と菊枝が笑みを浮かべ、そう言ったのです。
「そうですかー!??」
「では7時までごいっしょさせてもらいます!?」
と言って、会釈をした一平でした。
「きょうも面会時間終えましたら!?」
「お食事ごいっしょしていただけますわよねえー!??」
と菊枝が言うと、
「あしたお見合いなのによろしいんですか?!」
と一平が驚いて言ったのでした。
「もちろんですわ!?」
「ねえー!?小百合さん!??」
と菊枝が言うと、
「ええー!?」
「ごいっしょしてくださいますわ!?」
「ねっ!一平さん!??」
と小百合は少しはずかしそうに言ったのでした。
「おふたりがよろしいなら!?」
「かまいませんけど!!?」
と答えた一平でした。
「ナツさんも楽しみにしていましたわっ!?」
「一平さんはきれいに残さず食べてくれるからって!!?」
と菊枝がうれしそうに言うと、
「そうですかー!?」
「ナツさんの料理はどれもすばらしくおいしいので!?」
「残すなんてもったいなくてできませんよー!?」
とうれしそうに一平は言ったのです。
「あしたの日曜日も面会時間はいっしょなんですね?!」
「1時からここに来ていますから!?」
「でも親戚(しんせき)の方や知り合いの方が見えたら!?」
「困りますね!??」
と一平が言うと、
「届け出ている名前の方しか病室に入れませんから!?」
「それに、日曜日はナツさんに来てもらうことになっていますので!?」
と菊枝が言ったのでした。
「そうなんですかあー!??」
「じゃあー!?誰か来ても問題ないんですねっ!?」
「よかった!!?」
と安心したように言った一平でした。
「午後からせっかくのお休みがつぶれてしまいますが?!」
「よろしいんですか?!」
と小百合が言うと、
「はい!?いてもなんのお役にも立てませんけど!?」
「ここに来て意識が戻るように祈ることしかできませんから!?」
と一平が言ったのでした。
それからしばらくして菊枝が何気なく優を見ると、
閉じているまぶたから、涙が一滴(ひとしずく)出ていたのです。
「優が涙を!!?」
と言うと菊枝は、
急いで緊急コールボタンを押したのでした。
「この続きを読んでやってもいいよ!」
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