携帯によろしく 第十六章(5)

「急にどうしたのー!??」
と一平が言うと、
「だってえー!?」
「一平ちゃん!やさしいんだものー!?」
と、育子が言ったのでした。
それからふたりは見つめ合い、ながーいキスをしたのです。

しばらくしてからふたりは離れると、
一平が、
「もう寝ようかあー!?」
と、言ったのでした。

「うん!」
「わたしもう一度、戸締りと電気見て来るから!?」
「一平ちゃん。先行っててえー!?」
と育子は言うと、テレビのある部屋へと向かったのでした。
一平は、
「うん!?」
と答えると、うれしそうにベッドへと向かったのでした。

ベッドで一平がしばらく待っていると、
育子が戸締りと電気の確認を終え、部屋に入って来たのです。
育子がドアを開けると一平は、急いで寝たふりをしたのでした。

育子がベッドのそばに来て一平の顔を覗(のぞ)くと、
目を閉じていたので、
「一平ちゃん!?」
「疲れていたのねえー!?」
「課長さん倒れたりしたからあー!?」
と言うと、部屋の蛍光灯のリモコンスイッチを消し、
小玉の灯(あか)りだけにしたのでした。

育子は布団にもぐり込むと、
「愛してる!!」
と言って、一平のおでこにキスしたのです。
そしてすぐ、育子も寝ようと仰向けで目を閉じたのでした。

すると、
「育ちゃん!こっちー!!?」
と一平が言ったのです。
育子が驚いて目を開け、一平のほうを向くと、
「入れ替わらなくっちゃあー!?」
「育ちゃんがこっちで、俺がこっちー!!?」
と一平が、上半身を起こし言ったのでした。

「どっちでもいいわよー!?」
「一平ちゃん疲れているんだからあー!?」
と育子が言うと、
「もし育ちゃんがベッドから落ちて、ケガでもしたら大変だから!?」
「入れ替わろー!!?」
と、一平が言ったのです。

「うん!ありがとう!?」
「わかったあー!?」
と育子は言うと、
一旦ベッドから降りると、すぐに一平も降りたのでした。
そしていつも寝るように、
先に育子がベッドの左側にいき仰向けに寝ると、
一平がベッドの右側にいき布団を掛け、
仰向けに寝たのです。

すぐに一平は布団がかかったまま、
右手を育子の左肩のすぐ横に手を持っていき、
左手を育子の右肩のすぐ横に手を置いて、
右ひざを育子の腰のすぐ横辺りに持っていくと、
育子の身体の真上に、身体を移動させたのでした。

育子の目を見つめ、
「愛してるよ!!」
と一平が言うと育子も、
「わたしも愛してる!!」
と言ったのです。
そして育子は目を閉じたのでした。

「灯り消すねっ!」
と言うと一平は、左手でリモコンスイッチを押し、
小玉の灯りを消して部屋を暗くしたのです。
そして育子の左の耳の穴の中に、息を吹きかけたのでした。
すると、
「くすぐったいー!?」
と言って、育子は身をよじったのでした。

一平は育子の耳のすぐ下のところから首にかけ、
ゆっくりとキスをしていき、
パジャマのボタンをひとつずつ、上からはずしていったのでした。
そして一平は布団を足のほうへやり、
自分ですばやくパジャマの上下をすべて脱ぎ、
それから下着も脱いだのです。
そしてそれらを急いでたたむと、パソコンのイスの上に置いたのでした。

それから育子のパジャマの上着を脱がせると、
今度はズボンと下着も脱がせたのでした。
そして育子のパジャマと下着を急いでたたむと、
一平のたたんだ物の上に、それを載せた一平でした。
それからしばらくするとふたりは、合体し愛を確かめたのです。
そして心地よい眠りに就いたふたりでした。

翌朝、
一平が携帯の目覚ましで朝起きると、
もうすでに育子は、朝の食事の支度をしていたのです。






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