携帯によろしく 第十五章(1)

一平は育子を抱きしめると、おでこにキスし、
「ただいまあー!!?」
と言ったのでした。すると、
「さっき聞いたわよー!?」
「それより一平ちゃん!?お風呂すぐ入るー!??」
と育子が言ったのでした。

「うん!」
「入るけどー!?」と言ったあと、
一平はうれしそうに、
「大きなプロジェクトが決まったんで!?」
「前祝いをしたんだよー!?」
「来週からは残業になるかもしれない!?」
と、育子に向かって言ったのでした。

「そう!?よかったわねえー!?」
「でもとにかく着替えなくちゃー!?」
と育子が少し笑いながら言うと、
「じゃあー!?着替えてきます!!?」
と一平は言うと、
パソコンの部屋へ向かったのでした。

「だいじょうぶ??!」
「ひとりで着替えれるー!??」
と育子が言うと、
志村けんの物まねで、
「だいじょうぶだあー!?」
と、一平が答えたのでした。

「やっぱり!酔っているわねえー!?」
「いつもより似てないもん!!?」
と、育子が笑いながら言ったのでした。

一平はスーツを脱ぎ洋服ダンスを開けると、
それをハンガーに掛け、
ネクタイをはずしそれを掛けると、
洋服ダンスを閉めたのです。
それからタンスの引き出しを開け、
下着とパジャマを出すと、
それを持って部屋を出ると、まっすぐ風呂場へと向かったのでした。

育子はパソコンの部屋から出てきたワイシャツと下着姿の一平を、
目で追ったのです。そして、
「いつもこんな感じでいるんだわねえー!?」
と言って、笑いながら見ていたのでした。

一平は、洗面所と脱衣所兼用のカーテンを閉めたのです。
すると育子が、
「一平ちゃん!??」
「何かお夜食、食べるー!??」
と訊(き)いたのでした。

「うーん!?」
「そうだなあー!??」
と言って、服を脱ぎながら考えた一平でしたが、
「風呂から出て、もしおなかが減っていたら!?」
「なんか作ってくれるかなあー!??」
と言ったのです。すると、
「いいわよー!?」
「もし食べたくなったら言ってねえー!?」
と、育子が答えたのでした。

一平は下着を脱ぎ終わると、
「脱いだ物、洗濯機に入れちゃうよー!?」
と言うと、
「あとはわたしがやるから!?」
「早くお風呂入ってー!!?」
と育子が言ったのです。

「了解!!?」
と一平は答えると、急いで風呂に入ったのでした。

育子は一平が風呂に入ると、
洗濯物の種類や色などを確認しながら、
洗濯機に洗濯物を入れると、
洗剤、漂白剤、柔軟剤を入れ、スイッチを押したのです。
そしてテーブルのところに戻ってくると、イスに座り、
家賃や光熱費などの計算の続きを、またやり始めたのでした。

一平は風呂から出ると、バスタオルで身体を拭き終え、
頭をドライヤーで乾かすと、灯りを消し、育子のところに来たのです。
「いいお湯だったよー!?」
「おなか空いてないから!?」
「何もいらないよー!?」
と言うと、イスに座ったのでした。

「電卓打ってるけどー!?」
「何書いてるのー!??」
と一平が言うと、
「今ねえー!?いろいろなお金の計算していたのよー!?」
「結婚式にもお金かかるしー!?」
「わたしがこっちに引っ越してくるのはいつがいいか??!」
「引越し代も高いしねえー!?」
と、難しそうな顔をして答えた育子でした。

「でも育ちゃーん!?」
「もう遅いしさあー!?」
「あしたにしたら??!」
と一平が言うと、育子はすぐに時計を見たのです。

「ごめんなさい!!?」
「もうこんな時間だわ!?」
と言うと立ち上がり、食器棚の引き出しを開け、
電卓とノートをそこに入れたのでした。

「あれっ?そこの引き出し?!」
「請求書とか領収書とか、入っていたはずだけどー!??」
と一平が言うと、
「こっちのプラスチックの引き出しに移したのー!?」
「全部分けたから!?」
「今度からこっちへ入れてねえー!?」
と育子が言ったのです。

「戸締りしたし、あと電気消せばいいから!?」
「もう遅いから寝ましょ!?」
と育子が言うと、一平はうれしそうに、
「そうしよう!そうしよう!!?」
と言って育子の手を引き台所の電気を消すと、
ベッドのあるパソコンの部屋へ向かったふたりでした。


「この続きを読んでやってもいいよ!」
と思っている方は、次へ (NEXT)をクリックしてくださいね






▲Top