携帯によろしく 第十五章(11)

最初に生ビールと串焼きが運ばれてきたのです。
とりあえずいつもながらカンパイしたのでした。

「ところで先輩!?」
「課長の様子、実際のところどうなんですか??!」
と一平が言うと、
「病院に早く着いたから対応も早く、軽く済んだそうだ!」
「脳の病気で倒れた場合。時間が重要だってさあー!?」
「うちの課長みたいにすぐ病院に運ばれたのと!?」
「1時間も2時間もしてから運ばれたのじゃあー!?」
「ぜんぜん違うって病院にいたおばさんが言ってたよー!?」
「待合室にいた知らないおばさんだったけどー!?」
と笑って泰三が言ったのです。

「へえー!?そのおばさん?!」
「家族に同じ病気の人がいたんですかねえー!?」
と和樹が言うと、
「ご主人がやっぱり脳溢血で倒れたそうだけどー!?」
「きょうは付き添いで来たそうなんだ!」
「今リハビリやってるって言ってたよー!?」
「いろんな人から情報を得てるんじゃないのかあー!?」
と言うと、ビールを一口飲んだ泰三でした。

「そうですよねえー!?」
「家族の病状を心配するから!?」
「ほかの人と比べてどうなんだろうって思っちゃいますよー!?」
「身内なら当然!」
と一平が言うと、
「だろうなあー!?」
「お前は経験してるから、よけいに分かるだろうー?!」
と泰三が言ったのです。

「ふたりともー!?」
「課長が軽くすんだんですから!?」
「陽気にやりましょうよー!!?」
と和樹が串焼きを食べながら言うと、
「まあなっ!」
「とりあえず今週はいいとしてもよー!?」
「来週からは三丸商事の仕事が入っているから!?」
「課長の代わりは誰がやるのかなあー!??」
と泰三が、串焼きを食べながら言ったのでした。

「そりゃー!?」
「課長代理がやるんじゃないですかあー!??」
と和樹が言うと、
「ばーかっ!!?」
「お前は単純でいいよなあー!?」
「先輩が課長の仕事をやったら!?」
「誰が先輩の代わりをやるんだよー!?」
「人数は決まってるんだから!?」
「この仕事は大きいんだからなっ!!?」
「ねえー!?せんぱい!!??」
と一平が言ったのです。

それから仕事の話で妙に盛り上がった三人でした。
話の途中で店の若い子が、ちゃんこ鍋とビンビール3本を持ってきたのです。
ガスコンロに鍋を載せ、火をつけたのでした。

「以上でご注文の品はお揃いでしょうか?」
と店員が言ったので、
「とりあえずこれで!」
「もしあと注文するようならインターホンでしますから!?」
と和樹が言ったのでした。

「はい!承知いたしました!」
「では、よろしくお願いいたします!」
と言って店員は伝票を置くと、すぐに部屋を出ていったのでした。

三人はビンビールをそれぞれ持つと、
生ビールの入っていたジョッキにそれを注いたのです。

「生も中ジョッキしかないし!?」
「ビンも中しかないんですねえー!?」
「こういう所はー!?」
と和樹が言うと、
「吉野屋みたいにノンべが多く来るところでもないしなあー!?」
「しょうがないさっ!!?」
と泰三が言ったのです。

しばらくすると、ちゃんこ鍋が煮えてきたのでした。
それから三人はフーフー言いながら、鍋をつついたのでした。

「かずきー!残り全部食っちゃえよー!?」
と泰三が言うと、
「じゃあー!?シメにうどん頼みますけどー!?」
「一平さん!?どうしますー?!」
と和樹が、インターホンを持って言ったのです。

「ビール飲んだから!?」
「うどんは食えねえー!?」
「お前だけ注文しろー!?」
と一平が言うと、
「だけど割り勘ですよー!」
と、和樹が言ったのでした。

「ああー!?分かってるよー!?」
と一平が笑いながら言うと、
「俺も分かってる!!?」
と泰三も笑いながら言ったのでした。
すぐに和樹が注文すると、すぐにうどんを持って来たのです。

和樹がきれいに食べ終え、
会計に行き伝票を清算すると、三人で1万円ちょっとでした。

「お前たち三千円ずつ出せー!?」
と泰三が言ったのです。
「分かりましたあー!」
と一平と和樹は答え、
「ごちそうさんでーす!!?」
と言って、お金を泰三に渡したのでした。
泰三それを受け取ると、3人分の支払いを済ませたのです。
そして三人は店を出たのでした。

三人は駅までいっしょに行き、
それぞれの方向の電車に乗り、帰路についたのです。
一平が電車を乗り継ぎ、
高田馬場の駅に着いたのは、9時15分ほど前でした。

「だいぶ早く着いちゃったなあー!??」
「一応電話してみるかあー!?」
とひとり言を言い、
携帯を取り出すと、育子へ電話したのです。
しかし、育子の携帯は留守電になっていたのでした。

「一平だけどー!?」
「今、高田馬場の駅に着いたけどー!?」
「予定より早く着いちゃったよー!」
「育ちゃんは遅くなるのかなあー!??」
「とにかく9時までは駅にいるから!?」
「電話ください!」
と言うメッセージを入れた一平でした。

これで、お。し。ま。い。
第十六章へ続く(予定?!)

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読んでくださいまして、ありがとうございました。
  携帯によろしく 第十五章 以外の話 も、
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