本来コーヒー紅茶などをお出しして、御もてなししなければいけませんが、
インターネットの都合上それができません。
ご自分で好きなものを適当に用意していただき、
キーボードなどの上にこぼさぬよう注意して、
ときどき飲みながらでもお読みくださいませ。 m(_ _)m
「あっ!バッグがない!!」
とあわてて言うとすぐ、
「あのカラオケ屋。なんて名前だったかなあー!??」
「たぶんあそこだと思うんだけど!?」
「でももうないかもしれないなあー!??」
と言って少しがっかりした様子で、
携帯を取り出した一平でした。
「どうしたのー!??」
「そういえば!」
「きのうの朝、カバン持って出かけたわよねえー!?」
と言って、育子も今そのことを思い出したのです。
携帯のメニューから電話帳を押し、名前検索から、
後輩の山田和樹の携帯に電話したのでした。
「もしもしー!?」
「かずきー!」
と言うと、
「なんすかあー!?」
「こんなに早く?!」
と和樹が言ったのです。
「あのサアー!?」
「きのうカラオケに行っただろう?!」
「そこにバッグ忘れたみたいなんだ!」
と一平が言うと、
「バッグですかー!??」
「先輩なんにも持っていませんでしたよー!」
「吉野屋出る時もー!」
と和樹が言ったのでした。
「えー!!??」
と言うと、一平はしばらく考え、
「アッ!そうだあー!?」
「きのうはみんなで飲むんで!」
「会社に置いてきたんだよー!」
「びっくりしたあー!!?」
と言ったのでした。
「で!なんか?用すかあー!??」
と和樹が言うと、
「バッグ、カラオケ屋に忘れてきたと思ったから!?」
「お前に店の電話番号聞こうと電話したんだよー!」
「悪かったなあー!?朝早く!」
「じゃあなあー!?」
と言うと、携帯を閉じポケットにしまった一平でした。
「きのうはアイツら来るまで、先輩とふたり飲んだからなあー!?」
と少し笑いながら言うと、
「いっただっきまーす!!?」
と言って、朝食をうまそうに食べ始めた一平でした。
「ごめんねっ!」
「きょう少し起きるのが遅くなったから!?」
「いつものハムエッグとお味噌汁だけで!」
と育子が言うと、
「育ちゃんが朝作ってくれるんで!?」
「助かるよー!?」
「ありがとう!」
と一平がうれしそうに、キャベツの千切りを食べながら言ったのでした。
朝食を済ませ、整髪しようとイスを引き立ちあがった時に、
一平の携帯が鳴ったのです。
「一平!」
「カラオケ屋の電話番号知ってるかー!??」
と、いきなり泰三が言ったのでした。
「先輩!どうしたんですか?!」
と一平が言うと、
「きのうよー!」
「吉野屋か、カラオケ屋にカバン忘れたみたいなんだよー!?」
「やばいよー!!」
「出掛けに思い出したんだあー!?」
と泰三が言うと、一平が笑いをこらえながら、
「そりゃあー!困ったですねえー!?」
「でも先輩?!」
と言ったのです。
「なんだよー!??」
と泰三が言うと、
「きのうは和樹以外定時だからって!」
「せいせいと飲むために!」
「カバン持っていくと、どこかに忘れると困るからって!?」
「会社に置いてったはずですけどー!!」
と言ってから一平は、大笑いしたのでした。
すぐに泰三が、
「ええー!!??」
と大きな声で言ってしばらくしてから、
「わりー!わりー!?」
「すっかり忘れてた!!」
「きのうは、アイツら待たせるからよー!」
「ふたりで結構飲んだんだよなあー!?」
「朝早く悪かったなあー!」
「じゃあなあー!?」
と言うと一平の携帯が切れたのです。
それから一平は、うれしそうに携帯を折りたたみ、ポケットにしまったのでした。
「まったくー!!?」
「ふたりで同じことやってるんだもんねえー!?」
「似た者同士の先輩と後輩ねっ!」
と育子が笑って、後片付けをしながら言ったのでした。
一平は苦笑いをしながら洗面所に行ったのです。
髪を整えドライヤーを掛け、
もう一度ひげの剃り残しを剃ると、
ローションをつけ、玄関に向かったのでした。
「じゃあー!?育ちゃん行ってくるよー!」
と言うと、すぐに玄関に育子が来たのです。
そして抱き合い、めちゃんこ強烈なキスをしたふたりでした。
「育ちゃん!時間、間に合うのー!??」
と一平が言うと、
「だいじょうぶよー!」
「いってらっしゃーい!!」
と育子が言ったのです。そして、
「じゃあー!?出たらロックしてねっ!」
「いってきまーす!!」
と言うと、一平は出かけて行ったのでした。