本来コーヒー紅茶などをお出しして、御もてなししなければいけませんが、
インターネットの都合上それができません。
ご自分で好きなものを適当に用意していただき、
キーボードなどの上にこぼさぬよう注意して、
ときどき飲みながらでもお読みくださいませ。 m(_ _)m
ちゃんこ鍋の店に着くと、座敷に案内されたのです。
部屋に上がると、一平の携帯が「ブル・ブル・ブルル」と鳴ったのでした。
「すいません!電話なんで!?」
「ちょっと行ってきまーす!」
と一平は泰三に言うと、座敷を出て靴を履き、
早足に店の外に出たのです。
「もしもしー!?」
「今電話しようと思ってたんだよー!?」
と一平が言うと、
「きょうも遅いのー!??」
と、いきなり育子が言ったのです。
「そんなに遅くならないと思うけどー!??」
「九時頃には駅に着けると思うんだよー!?」
と言うと、
「ちょうどよかったわ!!?」
「あした支度があるから!」
「付き合えないって言ったら!?」
「きょう会社の人たちと食事に行くことになったのよー!」
「だから!わたしも帰り九時過ぎると思うんだけどー!?」
と育子が言ったのでした。
「俺もそうなんだあー!?」
「あしたは用事があるからって言ったら!?」(言ってない!!)
「きょう食事を付き合わなきゃならなくなったんだよー!?」
「いつものメンバーだけどねっ!」
「その時、課長の話も聞くんだよー!?」
と一平が言ったのです。
「課長さんの話しってえー!??」
と育子が言うと、
「ごめん!長くなるから!?」
「帰ったら、ゆっくり話すよー!?」
と一平が言ったのでした。
「もし俺が九時ぐらいに高田馬場の駅に着いたら!?」
「電話入れるからねっ!」
「もし育ちゃんが駅に着いたら電話くれるかなあー!??」
と一平が言うと、
「うん!そのつもりよー!?」
「じゃあねえー!?」
と言ったあとすぐ、
「愛してる!??」
と育子が言ったのです。
「もちろん愛してるよー!!」と言った時に、
ちょうど一平の前を、アベックが笑いながら通ったのでした。
すると思わず一平は、
「じゃあー、切るねえー!?」
と言ったのです。
「誰かいるのー!??」
と育子が言うと、
「うん!ちょっとねっ!!?」
と一平が言ったのでした。すると、
「わかったわっ!」
「じゃあ、切りまーす!」
と言うと育子は電話を切ったのでした。
すぐに一平も携帯電話を閉じ、ポケットにしまったのです。
そして一平はすぐに店に戻り、
ふたりのいる座敷のところの前で靴をそろえて脱ぐと、
いったん座敷より1段低い板張りのところに足を乗せたあと、
襖(ふすま)を開け、座敷に上がったのでした。
「お待たせしましたあー!?」
と一平が言うと、
「先輩!ここー!!?」
と言って和樹が、自分の隣の座布団に手をおいたのです。すると、
「ここかあー!?」
と言って、一平は和樹の横に座ったのでした。
「ところで何にするか決まったあー!??」
と一平が言うと、
「飲み放題コースにするか?」
「お前が来てから決めようと思ったんだけどー!??」
「電話どうせ育ちゃんだろー??!」
「続けて遅く帰るのはちょっとまずいと思うんだあー!?」
と、少し笑いながら泰三が言ったのです。
「すいませーん!」
「一応!9時ごろには駅に着くよう帰るって言ったので!!?」
と一平が言うと、
「先輩も大変ですねえー!?」
「奥さんになる人に気を使わなきゃならないしー!?」
「会社の人間にも気を使わなきゃならないしー!??」
と和樹が、笑いながら言ったのでした。
「いいえー!とんでもござりません!!?」
「なんとかうまく対応いたしておりまーす!」
と一平が笑いながら言ったのです。すると、
「じゃあー!飲み放題コースはやめて!!」
「とりあえずー!」
「生中(なまちゅう)頼んで!?」
「”串焼き”って書いてあるけど?!」
「写真を見ると、どう見ても普通の焼き鳥だよなあー!??」
と泰三が、メニューを見ながらうれしそうに言ったのでした。
「おれはそのあと、ビンビールでいいですよー!?」
「きょうはあんまり飲めないから!?」
「ちゃんこはどうしますー!??」
「みんないっしょのほうがいいじゃないすかあー!??」
「先輩に任せますよー!?」
と一平が言ったのです。
「かずきー!!?」
「お前のとこにインターホンがあるから!?」
「適当に注文しろー!」
と泰三はメニューを閉じると、そう言ったのでした。
「わっかりましたあー!!?」
と和樹は答えると、インターホンを取り、
メニューを見ながら注文したのでした。