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「全てを終えて~遺恨から理解へ~」を公開しました

医療安全の活動を始めて1年が経過しました。

昨年1年間は、出会うべき人と出会って、理解できたことがたくさんありました。

主人が亡くなって5年が経過し、時が経過したことで気づきや学びがたくさんありました。

ひとりではとてもわからなかったことです。

お読み頂ければ幸いです。

2021年01月17日

血友病電話相談で現実を知る

主人は軽症の先天性血友病Aでした。術前検査で血液凝固にかかわる時間(APTT値)が39.3秒(当該病院基準値25.1~39.8秒)で上限に近い値でした。なので、補充療法は必要なしと判断され、術後の出血で気道が圧迫され窒息しました。

 

それはセンター調査報告書の中にも明記されています。

その報告書に「再発防止策について」という項目があり、その中に「学会等に向けての提言」というものが盛り込まれています。その中の一つが下記です。

 

【 ● 軽症先天性血友病Aを有する患者への対応について

日常生活において治療が必要でないとされている軽症先天性血友病Aの患者が手術および手術に準じる治療を受ける場合などに、事前に実施されるべき検査(血小板、プロトロンビン時間、活性化部分トロンボプラスチン、第Ⅷ因子活性、フォン・ヴィレブランド因子)・治療(凝固因子補充療法)、連絡先などを記載したカードを携帯できるようにすることが望まれる。 】

 

私は、この赤字部分のカードが実際にあるのかどうかがずっと気になっており、2016年6月に電話相談をした「MERS血友病電話相談」に連絡をしてみました。

 

男性でIさんという方が丁寧に答えてくださいました。

 


Iさん 『病院ごとの制度によって違いますが、血友病の専門医がいる病院の半数くらいはカードを配っていると思います。』

 

私『半数ですか…それは統一されたカードなのですか。』

 

Iさん『病院ごとに独自に出していると思います。実は血栓止血学会の血友病部会ではそういう話も出ています。ただ、日本の血友病患者は1万人~2万人に一人なので、ご主人の例が多いわけではないのです。』

 

私『軽症の血友病Aの人には、凝固因子補充療法を準備するなどのガイドラインはないということですか。』

 

Iさん『残念ですがまだありません。実は、血友病患者で、APTT値が基準値以上でも術後の出血が少ない人もいて、血友病の専門医のいるところは用意しますが、一般の外科では凝固因子補充療法をするところは少ないのが現実なんです。』

 


 

私は日本の医学界の矛盾点をまた一つ見たような気がしました。

《数が多くないと動かない》

 

私はIさんに『医療事故調査制度を利用した報告書ではそういう提言が出ているので、ぜひ学会や部会などで話題にして頂きたいと思っています。』とお願いしました。

 

Iさんは穏やかな声で『わかりました。』と言って下さいました。

 

最後に私に息子が一人いる話をしました。Iさんは『お嬢さんだったら遺伝することになりますから注意が必要でしたが、息子さんなら遺伝することはありませんね。』と言って下さいました。

 

私は『はい。息子を大切に育てたいと思います。』と言って電話を終えました。

 

なにか釈然としない心持でしたが、現状がわかってまた課題が出来たような気がしました。

今後どうするか、また気持ちを整理して考えたいと思います。

 

2020年06月26日

「センター調査の結果」を非公開にしました

個人特定ができない内容なので公開しておりましたが、改めて確認作業をしたいと思い非公開にいたしました。確認ができ次第公開したいと思います。ご覧になりたい方は yamagoo@ca.thn.ne.jp までご連絡下さい。

2020年05月15日

更新しました

ご協力に感謝」を更新しました。これですべてのページの公開ができました。

忘備録なので、自分のための記録となっていますが、もしこの記録がいつか誰かの役に立つことがあれば嬉しいことです。

 

すべてのページを公開するまで3年強経過していますが、その間に気持ちの変化もありました。これからも変化していくかもしれません。その部分にに関しては「ブログ」という形で記録していきたいと思っています。

そしてこれからも「医療安全」についてもっと勉強していきたいと思っています。

2020年05月07日

気になっていたことを実行

今年1月にNPO法人「架け橋」の「医療対話推進者研修」を聴講させてもらいました。

 

その時に医療事故にかかわった医療従事者の中には、心に重い気持ちを背負っている人たちがいることを知りました。事故のフラッシュバックで医療現場に戻れず苦しんで、医療安全活動をしている姿は衝撃的でした。

 

主人の主治医や看護士・介護士たちはどうなんだろう、とふと考えました。

 

2日前の「医療過誤原告の会」の交流会で、主人の事故調査が理想的なかたちで終わっていることを知らされてから、病院側の対応は他の医療機関よりも真摯的であったことがわかり、病院に対する気持ちに少し変化が出てきました。

 

主人の事故調査はすでに終了していて示談が成立しており、すべてが終結したかたちになってはいます。でも気持ちの上ではまだ継続中で「その後あの病院はどうなっているのだろう」という気持ちがいつもありました。

 

交流会で「こちらから病院に連絡したいと思っているのですがどう思いますか。」と相談したら「院内調査をきちんとしてくれているので大丈夫だと思いますよ。もし拒否されたらそれまでです。」と言われ、2日ほど悩んで実行してみました。

 

私は、当時の病院側の窓口だった事務長と連絡を取ってみました。緊張で手が震えました。事故から4年終結してから2年が経っていましたが、まだ病院に勤めていました。

 

まずは敵対的な話ではないこと、こちらの近況、医療事故にあわれた方のサポートを始めたことなどの話をし、事務長は、主治医の現在や病院の様子、弁護士に止められ墓参が出来なかった話などを友好的にしてくれました。

 

医療事故調査制度の話になり「担当の方が良い方で救われましたよね。」と談笑しました。私たちの事案が理想的であったことを話し、医療機関側からの立場として話を聴くこともあるかもしれないことを告げ、また連絡を取ることを約束して電話を切りました。

 

その後、なぜか涙が止まりませんでした。「これでいいんだよね。」と主人に向かって言っていました。

2020年03月17日

事故調制度改善のための宣伝活動をしてきました

「公正な医療事故調査制度に改善を求める宣伝活動」のビラ配りに初めて参加してきました。「医療過誤原告の会」のお手伝いです。

活動後の交流会では、医療過誤で被害を受けた方々と情報交換をしました。とても有意義で、知らなかった情報が盛りだくさんでした。

私の案件はすでに調査終了していますが、医療事故調査制度を利用した遺族の中でも理想的案件であることも知りました。医療機関側が事故と認めず、院内調査さえしてくれない例もあるそうです。

医療事故調査制度が始まって4年以上経ちます。これから問題点を改善して、たくさんの方々の心を助けられるような制度になってほしいと思います。

2020年03月15日

更新しました

長いこと更新しておらず申し訳ありませんでした。

これまでのおおまかな経過や大きな出来事をブログページにて公開しました。

「ご協力に感謝」のページはまだ一部が作成中です。

備忘録ですので参考になれば幸いです。

2020年02月08日

義母が主人のところへ旅立ちました

2020年1月15日に義母が主人のもとへ旅立ちました。

主人が亡くなって翌年から施設にお世話になっており、家族に見守られ穏やかに逝きました。享年86歳でした。

親孝行な主人でしたので、きっと義母をみつけてくれていると思います。

ご尽力頂いた施設の皆様、医療機関の皆様に深く感謝いたします。

2020年02月01日

息子が大学に合格

入学した高校で担任と合わず辛い思いをして、2年生の2学期で転校。

転校先の先生方には大変良くしていただきました。おかげで現役合格ができました。

主人の墓前にも報告いたしました。

これから楽しい大学生活を!

2019年02月08日

センター調査終了

2018年1月22日に日本医療安全調査機構に送った質問書の回答がきました。

送付書には「本回答をもって終了とさせていただきます。」となっておりましたが、まだ聞きたいことがあり担当者の方に電話をしました。

わたしの疑問に対して担当者の方も同意をしており、それは法律が変わらないと対応が困難であることに矛盾を感じているそうです。

医療事故調査制度にはまだまだ乗り越えなければならない壁のようなものがあるようです。

私は、医療事故調査制度とは遺族側に寄り添った制度だと感じることができました。もっと周知されることが必要だと思っています。

 

2018年04月06日

センター調査の報告書が届きました

全30ページにおよぶ報告書でした。

たいへん丁寧に書かれた報告書で、主人に何が起こっていたのか医学的に淡々と書かれていました。おおむね理解できる内容でした。

これからまたDr.Kを始め関係者の方々に報告し、質問があれば1か月以内に文書で郵送しなければなりません。

また前進することができそうです。

2017年12月22日

「医療事故調査制度とは」を公開しました

このブログを書いている時点では、遺族側からの申し出でこの制度を利用することはできません。

 

管理者側(=医療機関)が「予期しえなかったもの」&「医療に起因すると疑われる死亡」であると判断して、この制度の対象事例とはなります。

 

例えば、ある患者が肺炎で入院したとします。病院で転んで頭を打って亡くなっても、それはこの制度の対象とはならないのです。肺炎から起因する死亡事例が対象となります。

 

だからと言って、病院側は院内調査をしなくて良いということではありません。

きちんと院内調査をして、遺族に報告をする必要があります。

 

全国の医療機関はこの制度をきちんと知る必要があるのです。

2017年01月22日

「当該医療機関について」を公開しました

もうどんなことをしても主人と話をすることが出来ません。

もう一度話をすることが出来るなら、「あの病院は変わったよ。とても良い病院になった。」と言えるようになりたいと思うようになりました。

 

この医療機関の社会的撲滅を幾度となく考えました。

でもそれは主治医にとっても、そこで働くスタッフにとっても、この地域の医療にとっても、 良い結果にはならないと考えます。

重要なのは、人間として学習をし、安全性の向上に対して意欲をもって行動する姿をがあるかどうかだと考えます。

 

みなさんならどうしますか?

2017年01月22日

一周忌を迎えて

昨日、一周忌を迎えました。

法要は、11月に家族のみですでに済ませておりましたので、

昨日は、お世話になった方々が次々と訪ねてきて下さいました。

私の知らない主人の学生時代のことや、お互いの近況を話しながら、

心穏やかに過ごすことができ、家族一同、改めて主人の交友の深さに感謝しました。

 

私にとって「いろいろな方に支えられている。助けられている。」と再確認した一日でした。

人のつながりは素晴らしいですね。

2016年12月26日

公開にあたって

約一か月後に一周忌を迎えるにあたって、報告を兼ね公開することにいたしました。

諸事情があり、全ページの公開は控えておりますが、少しずつ前進しています。

明らかになりましたら順次公開をしていきます。

2016年11月27日

叙勲を頂きました

主人が叙勲を頂きました。

瑞宝双光章(ずいほうそうこうしょう)」です。

同時に位階の「正七位(しょうしちい)」も頂きました。

思いがけない出来事で、志半ばで亡くなった主人の業績が認められたように感じました。

きちんと額に納めて”家宝”にしたいと思います。

ご配慮頂いた上司の方々には深く感謝いたします。

ありがとうございました。

 

2016年04月01日

息子の合格発表日

今日は息子の高校合格発表日でした。

みごと合格!おめでとう!

第1希望の高校です!

”とうちゃん”を亡くした直後から勉強に身が入らず心配でしたが

とうちゃんのお友達の”一喝”が効きました。

息子の頑張りに拍手。そして、みなさんに支えられていることに感謝します。

主人の墓前にも合格証書を持って報告に行きました。

2016年02月15日