携帯によろしく 第十一章(9)

朝食を食べ終わり、食器を洗い終わると、
いつものように水切りカゴにそれらを入れると、
パソコンの部屋に戻り、ポロシャツとジーパンに着替えたのでした。
財布と自転車の鍵を持つと、洗面所に行き頭をドライヤーでセットすると、
スニーカーを履きドアに鍵をかけ、
階段を1階まで下りたのでした。

自転車に乗りきのうと同じように、早稲田通りのところにある花屋へ、
お見舞い用の花束を、買いに行ったのでした。
マンションに戻ってくると、
花束を持って階段を、3階まで上がったのです。
マンションのドアを開け、
洗面所に花束を置くと、仕切りのカーテンを閉めたのでした。

それから一平は、珍しく掃除機をかけたのです。
それが済むと、こんどは風呂場の掃除をしたのでした。
風呂の掃除が済み、ふと時計を見るともう11時半を過ぎていたのです。
急いでタクシー会社に電話したのでした。
マンションへ12時半にタクシーが来るよう頼んだのです。
それから昼食のしたくをしたのでした。

炊き込みご飯とインスタント味噌汁と、漬物で昼を済ませたのです。
洗い物をしてから、ジャーのコンセントを抜き、
中身の炊き込みご飯を、ジャーからどんぶりに移し替えると、
ジャーのお釜を洗い、ふきんできれいに水気を拭き取ったのでした。
そしてまたお釜をジャーに戻すと一平は、
「このまま持っていくわけにはいかないしー!??」
「困ったなあー??!」
と言ったのでした。

「スーパーの袋じゃちょっと小さいし!??」
と言ってしばらく考えたあと、
「そういえば、洗濯物のワイシャツをもらう時!?」
「大きな白い袋でもらったなあー!??」
と言うと一平はテレビの部屋に行き、タンスを開けたのでした。

「あった!あったあー!?」
とうれしそうに言うと、袋を持ちタンスを閉めると、
ついでに部屋の窓とカーテンを閉めたのです。
すぐに一平は、台所に戻って来たのでした。
そしてジャーを袋に入れたのです。
それから一平は、パソコンの部屋へ向かったのでした。

パソコンの部屋に入ると、窓を閉めカーテンを閉め、
ポロシャツとジーパンから縦じまのワイシャツと綿パンに着替えたのです。
きのうと違うジャケットを着ると、ネクタイを3本持って洗面所へ行き、
鏡でネクタイの柄を合わせ頭をセットすると、
一平は気にいった柄のネクタイをポケットにしまったのでした。
ほかの2本のネクタイを、
パソコンの部屋に戻りタンスにしまったのです。

台所に行き、流しのところの窓を閉めると、洗面所のところへ行き、
花束を持ち、テーブルの上にある白い袋に入れたジャーを持つと、
玄関に行き、それらを一旦置いたのでした。
それからスリッパを脱ぎ靴を履くと、
携帯と財布と免許証に小銭入れを持っているか確認してから、
花束とジャーを再び持つと、
ドアを開け玄関を出ると、鍵をかけ、
こんどはエレベーターで1階まで降りたのです。

エレベーターから出て歩いていくと、すぐにタクシーが来たのでした。
”ふー!?”
”よかったあー!?間に合ったあー!??”
と一平は心の中で言ったのでした。
手を上げるとタクシーが止まったのです。

タクシーの運転手が窓を開けると、
「12時半に予約したマンションの山本ですけど!?」
「そこの来客用の駐車場でUターンしてくれますか!?」
と一平は言ったのです。
「はい!わかりました!!?」
と運転手は言うと、バックで駐車場に入れるとすぐに、
一平の前で止まり、後ろのドアを開けたのでした。

一平がタクシーに荷物を持って乗り込み、
「慶応大学病院まで!?」
と言うと、
「はい!!」
と運転手は答え、後ろのドアを閉めると、
すぐに車は走り出したのでした。

渋滞もなく、しばらく走るとじきに病院に着いたのです。
タクシ料金を払いタクシーを降りると、
すぐ後ろに大きな外車が止まったのでした。そしてすぐに、
「プップー!!」
とクラクションが鳴ったのです。

一平が外車のほうを向くと、
ナツさんが笑みを浮かべ降りて来たのでした。
運転手は旦那さんのヒデさんでした。
「一平さん!?ご苦労さまです!?」
と言ってナツさんがお辞儀をしたのです。

「こんにちは!?ナツさん!?」
「きのうはごちそう様でした!!??」
「炊き込みご飯おいしくいただきました!!?」
「ジャー!?持って来たんですけど!?」
と一平が言うと、
「いつでもよろしいのにー!?」
「ではうちの主人に、お宅まで持って行ってもらいしょう!?」
とナツさんは言ったのでした。

一平からジャーを受け取るとナツさんは、
助手席のドアを開け、
「お父さん!?これお宅の台所の調理場の上にでも置いといて下さい!?」
「あとでわたしが片づけますから!?」
と言ってナツさんは、助手席のシートの上に置いたのでした。

「わかったよー!?」
とヒデさんが答えると、
「すいません!?よろしくお願いします!!?」
と一平も助手席のドアのところに行き、
会釈しそう言ったのでした。






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