本来コーヒー紅茶などをお出しして、御もてなししなければいけませんが、
インターネットの都合上それができません。
ご自分で好きなものをどんどん用意していただき、
キーボードなどの上にこぼさぬよう注意して、
ときどき飲みながらでもお読みくださいませ。 m(_ _)m
「私はしばらく病室には来ていませんでしたが!?」
「少し髪の毛が生えてきたみたいですね!?」
「手術とはいえ、女の命も同然の、髪の毛を切らなければならないなんて!?」
とナツさんは、涙ながらに言ったのでした。
「最初の頃がどうだったかわかりませんが!?」
「確かに、少し毛が見えています!?」
と一平もそう言うと、
頭を水泳キャップのようなもので覆っている優の顔を見ると、
かわいそうで、思わず涙を流したのでした。
ふたりともハンカチを取り出し、涙を拭いたのでした。
それからしばらく沈黙の時間が過ぎたのです。
「ところで!?きょうナツさんは何時頃までここにいるのですか!?」
と一平が言うと、
「奥様が小百合さんのお見合いが済んだら、すぐこちらに来るそうです!?」
「わたしは、お宅の留守番をしなければならないので戻りますが?!」
と、ナツさんは答えたのでした。
「では日曜日も休めませんねえー!??」
と一平は言うと立ち上がり、
「優がこんな状態ですので!?」
「たいへんでしょうが、よろしくお願いいたします!!?」
と言ってお辞儀をしたのでした。
すぐにナツさんも立ち上がり、
「旦那様にも奥様にもお世話になっているので!?」
「わたしたちは、たいした事はできませんが!?」
「小百合さんのお力(ちから)になって上げてくださいねっ!?」
「よろしくお願いいたします!!?」
とナツさんは言うと、お辞儀をしたのでした。
「えっ!!?」
と言ってから一平は、
「実は私には、結婚を前提にお付き合いしている方がいるんです!!?」
「ですので!?小百合さんのお力には、正直なる事ができません!!?」
「本当に申しわけありません!!?」
とナツさんに言うと、お辞儀をしたのでした。
「そうでしたか!?」
「うすうすは感じてはいましたが?!」
「結婚を前提にお付き合いしている方がおられたのですかー!??」
「申し訳ございません!?」
「つい、でしゃばりまして!!?」
と言うとナツさんは、お辞儀をし謝ったのでした。
「いや!?いいんですよー!?」
「だいいち、わたしの住んでる世界とは違うような気がします!!?」
「感覚が違うというか?!」
「なんと説明していいのかわかりませんが!??」
と言うと一平は、イスに腰掛けたのでした。
一平は何気なく優の顔を見ると、
涙が1滴、このあいだと同じように溜(た)まっていたのです。
「ナツさん!?優の目のところに涙が!!?」
と一平は言うとすぐに、緊急コールボタンを押したのでした。
「どうなさいました?!」
と看護師の声が聞こえたのです。
「今見たら、優の目に涙が溜まっていたのです!!?」
と一平が答えると、
「今すぐそちらに伺いますので!!?」
と、看護師が言ったのでした。
そして看護師がふたり、すぐ病室に入って来たのです。
「今すぐ先生が来ますので!?」
「ちょっとそのままお待ちください!!?」
と言うとひとりの看護師は、
機械のところまで行き、ノートパソコンをたたいたのでした。
「最初に見つけた方はどちらですか?!」
と看護師が訊くと、
「はい!わたしです!?」
「話を5分か10分かわかりませんが!??」
「話したあと見たら、涙が出ていたのです!!?」
「このあいだとほぼいっしょだと思います!!?」
と一平は答えたのでした。
「おふたりとも申しわけありませんが!?」
「先生が来られるので!?」
「そちらのほうで座って待っていただけますか?!」
と看護師が言ったのでした。
一平とナツさんは折りたたみのイスを持って、ベットから遠ざかったのです。
しばらく待っていると、
「どうも!?」と言って、医師が病室に入って来たのでした。
医師は看護師と話をしたあと、
「きのうとお同じ状態のようですね!?」
「申しわけありませんが!?」
「あしたは、医学会の会合に出席しなければなりませんので!!?」
「留守にしますので、診(み)ることができません!?」
「代わりの先生に事情を説明しときますので!?」
「何かありましたらすぐに看護師をお呼びください!!?」
と言うと医師は、看護師に涙をきのうと同じように、
採取するよう指示したのでした。
涙の採取が終わると、医師と看護師ふたりは会釈をし、
病室から出て行ったのです。
「ご苦労様でした!!?」
と一平とナツさんは言うと、お辞儀をしたのでした。
それから一平とナツさんは、
ベッドの両側にイスを持って来て座り、
お互いの身の上話をしたのでした。
時間が経ち、三時を過ぎた頃、
病室を小さくコンコンとたたくと、ドアが開いたのでした。
これで、お。し。ま。い。
第十二章へ続く(予定?!)
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読んでくださいまして、ありがとうございました。
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