携帯によろしく 第十一章(3)

「音楽のCDに替えようかー!??」
と一平が言ったのです。すぐに小百合が、
「看護師さんを呼んできますから!?」
と言うと、立ち上がり、折りたたみのイスをしまい、
病室を出て行ったのでした。

すぐに看護師といっしょに戻って来たのです。
来た看護師はパソコンを叩くと、
「どうぞ交換してください!!?」
と言ったのでした。
小百合は、優がいつも聞いていたCDに交換したのです。
そして、一平と小百合の声を録音したCDを、
衣類などが入れられるボックスの引き出しにしまったのでした。

「ではあとをよろしくお願いいたします!?」
と言って菊枝が看護師に向かってお辞儀をすると、
一平と小百合もお辞儀をしたのでした。
そして三人は病室をあとにしたのです。
ナースステーションにいつものように立ち寄り、
挨拶をしてから、エレベーターに乗り込んだのでした。

1階まで降り、駐車場の車のところまで行ったのです。
「一平さん!?本当に運転しなくてもよろしいのですか?!」
と小百合が言うと、
「はい!運転よろしくお願いします!!?」
と一平は言ったのでした。

「わかりましたわ!?」
と小百合は言うと、運転席に乗り込んだのです。
一平は助手席に乗り込み、
菊枝は後ろのドアを開け、後ろのシートに座ったのでした。
車はいつもの道を通り、
白石家へと向かったのです。

病院を出発するとすぐに菊枝が、自宅へ電話をかけたのです。
「ナツさん!?今病院を出ましたから!??」
「夕食のほうは準備できてるでしょ!?」
と菊枝が言うと、
「はい!?」
「いついらしてもよいように、準備できております!?」
とナツさんが答えたのでした。

「一平さんもいっしょですから!?」
と菊枝が言うと、
「承知しております!?」
「お待ち申し上げておりますので!?」
とナツさんが言い、
「ではのちほどねっ!?頼みましたわよ!?」
と菊枝は言うと、携帯を切ったのでした。

それほどの渋滞もなく、車は白石家の駐車場の前に着いたのです。
シャッターが上がるのを少し待ち、
上がりきると、車が入って行ったのでした。
車が止まるとすぐに菊枝が、
「一平さん!?小百合さん!?」
「先に行っていますから!?」
と言うと、ドアを開け車から降りたのです。

早足で駐車場のドアのところまで行き、
菊枝はドアを開けると、玄関に向かって歩いて行ったのです。
小百合は運転席の横において置いたバッグを取ろうとした時に、
「小百合さん持ちますよ!?」
と言って小百合のバッグを先に持った一平でした。
一平はそしてすぐ車から降りたのです。

それからすぐにターン装置のスイッチのところに行った一平でした。
小百合もすぐにスイッチのところに行ったのです。
「やらせてもらってもいいですか?!」
と一平がうれしそうに言うと、
「もちろんいいですとも!?」
と、小百合もうれしそうに答えたのでした。

「はいこれ!?」
と言って小百合にバッグを渡すと、
「ありがとう!?」
と小百合が言ったのです。
「じゃー!?スイッチ入れまーす!?」
と一平は言うと、ターン装置のスイッチを入れたのでした。

それからすぐにシャッターがすべて閉まったのでした。
「小百合さん!?行きましょうかあー?!」
と一平が言い、左手を小百合の右手に絡め、
ふたりは手をつないだのです。
そして駐車場のドアを開け、玄関の前までそのまま歩いて行ったのでした。

玄関まで来ると、ふたりは手を放したのです。
一平が玄関のドアを開け、
小百合を先に中に入れたのでした。(レディファーストだあー)
ナツさんが玄関で待っていたのです。
「小百合さんお帰りなさいませ!?」
「一平さんお待ちしておりました!?」
と言ってナツさんが、お辞儀をしたのでした。

小百合が「ただいま!?」と言うと、
一平が「こんばんは!!?」
「また来てしまいましたあー!?」
とニコニコしながら頭をかき、言ったのでした。

「今すぐに準備いたしますので!?」
とナツさんは言うと、会釈をし、台所に向かったのでした。
「とにかくお上がりになって!?」
「一平さん!?」
と小百合が言うと、
「おじゃましまーす!!?」
と大きな声で一平は言い、靴を揃えスリッパに履き替えたのでした。






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