本来コーヒー紅茶などをお出しして、御もてなししなければいけませんが、
インターネットの都合上それができません。
ご自分で好きなものをたらふく用意していただき、
キーボードなどの上にこぼさぬよう注意して、
ときどき飲みながらでもお読みくださいませ。 m(_ _)m
「どうなさいました?!」
と看護師の声が聞こえたのです。
「娘の優に家族の声を録音してを聞かせたら、涙を流していたのです!!?」
と菊枝が言ったのでした。
「わかりました!今行きますので!?」
「そのまま何もせずにいてください!!?」
「先生に連絡いたしますのでちょっとお待ちください!!?」
と、看護師が答えたのでした。
そしてすぐにふたりの看護師が、病室に入って来たのです。
「すいませんが、ちょっとさがっていただけますか?!」
と看護師が入って来てすぐに言ったのでした。
三人は立ち上がると、自分の座っていたイスを折りたたみ、
それを持って、ベッドから遠く離れたのでした。
看護師はりょうてに別れ優の顔を覗き込んだのでした。
「涙を流したのは、何分ぐらい前かわかるでしょうか?!」
と看護師が言うと、
「声を録音したものとCDを交換してからだと思いますが?!」
「15分か20分前に交換しましたが?!」
「はっきりした時間はわかりませんわ!?」
と菊枝が答えたのでした。
「そうですか?!」
と看護師は言うと、
機械に接続されているノートパソコンのキーボードを、叩いたのでした。
そしてしばらくすると、医師が病室に入って来たのです。
「どうも!?」
と言って軽く会釈をしたのでした。
すぐに三人は、一斉にお辞儀をしたのです。
すると看護師が、医師に説明をしたのでした。
しばらく看護師の説明を聞いていた医師は、三人に向かって、
「どなたが最初に気が付かれたのですか?!」
と、言ったのです。
「はい私ですが!?」
と菊枝が答えたのでした。
「CDを交換されたあと、涙を流したのは間違いありませんね!!?」
と医師が言うと、
「はい!それまではいつもとかわりがありませんでした!!?」
と菊枝は答えたのです。
「1回の反応だけではなんともいえませんので!?」
「CDを交換する時は、看護師に必ず声をかけて!?」
「立ち合わせて、交換してください!!?」
と医師は言うと、
ふたりの看護師に少し話をしたあと、
三人に軽く会釈をし、病室から出て行ったのでした。
一緒に看護師ひとりも出て行ったのです。
医師といっしょに出て行った看護師はすぐに戻ってくると、
スポイトのようなものを使い、
優が出した涙を吸い取ったようでした。
そしてそれを、すぐに小さな試験管のような物に入れたのでした。
するとひとりの看護師が、
「先生が言ったとおり、必ずCD交換の時は声を掛けてください!?」
「すぐに、こちらにまいりますので!?」
「よろしくお願いいたします!!?」
と言い軽く会釈すると、看護師ふたりは病室から出て行ったのでした。
「よい方向に向かってくれればいいんですけど!?」
と菊枝が言うと、
「優に気持ちが通じたのかもしれません!?」
「よい方向に向かうように祈りましょう!?」
と一平が言ったのでした。
「ありがとうございます!一平さん!!?」
と言うと涙を流した菊枝でした。
「お母さま!?優に笑われてしまいますわよ!?」
「このぐらいのことで涙を流していては!!?」
と言って小百合は、涙をいっぱい溜めそう言ったのでした。
「確かに、このぐらいのことで涙を流していたら!?」
「優に笑われてしまいますね!!?」
と言って一平も涙をいっぱい溜め、上を向いたのです。
そして三人は、ハンカチで涙を拭いたのでした。
それからまた優のベッドのところにイスを持ってくると、三人は座ったのです。
優の顔を見ながら、
「夢でも見ているのかしらねえー!??」
と小百合が言うと、
「そうだね!!?」
「夢を見ているんだよー!?きっと!!?」
と一平がうれしそうに言ったのでした。
それから三人はポツリポツリと会話をしたのです。
日はすっかり落ち、
面会時間終了のBGMが流れてきたのでした。