本来コーヒー紅茶などをお出しして、御もてなししなければいけませんが、
インターネットの都合上それができません。
ご自分で好きなものを適当に用意していただき、
キーボードなどの上にこぼさぬよう注意して、
ときどき飲みながらでもお読みくださいませ。 m(_ _)m
びっくりした一平は、
「お母さまの具合はどうなんですか?!」
「さっき電話があったようですが!??」
と言って、菊枝のことを訊いたのでした。
「すいません!?申し遅れました!!?」
「母は具合がまだよくないので、部屋で食事をとるそうです!?」
と小百合が言うと、
少し大きめのお盆に食事を載せ、台所からナツさんが出て来ると、
廊下を奥の部屋のほうへ、歩いて行ったのでした。
一平は「ごちそうさまでした!!?」
と言って会釈をしてから、
「小百合さん!?軽はずみなことを言ってはだめですよ!?」
「あしたはお見合いなのですから!?」
「俺はもう帰らなければ!!?」
と言ったのです。
「ええー??!」
「もうお帰りになるんですかあー?!」
と小百合ががっかりしたように言うと、
「お母さまを見てあげてください!?」
「俺はタクシーで帰りますから!?」
と一平は言って、立ち上がったのでした。
「小百合さんにふさわしい人が必ずいますから!?」
「あしたのお見合いのお相手が、そうかもしれませんよ!?」
と一平が言うと、
「そんなあー!?」
「一平さんにそんなこと言われるとは思っていませんでしたわっ!!?」
と小百合が半べそをかいて言うと立ち上がったのです。
「一平さんはわたくしのことをお嫌いですの??!」
と小百合が涙を流し言うと、
「好き嫌いの次元の問題ではありません!?」
「あなたは、この家の跡継ぎなのですから!?」
「ふさわしい方を選ばなければなりません!!?」
と一平は、少し強い言い方で言ったのでした。
ナツさんが奥の部屋から戻って来たのです。
すると小百合がちょうど、食堂から出て早足で廊下を歩いて、
ナツさんとすれ違ったのでした。そのとき、
「小百合さん!?どうなさいました!??」
とナツさんが言ったのですが何も答えず、
そのまま自分の部屋へ向かい、階段を上がって行ったのでした。
一平が食堂から出てくると、
ちょうどナツさんと出会ったのです。
「小百合さんと今すれ違ったのですが!?」
「何かあったのですか?!」
と心配そうにナツさんが言うと、
「いいえ!?俺がタクシーで帰ると言っただけです!!?」
「すいませんが、タクシーを呼んでいただきたいんですけど!??」
と一平は言ったのでした。
「おばさまの具合が悪いのに!?」
「小百合さんに送ってもらうわけには行きませんから!?」
と一平が言うと、
「そうですか?!」
「わかりました!ではすぐに!!?」
とナツさんは言い、
廊下のところの電話台から、
タクシー会社へ電話してタクシーを呼んだのでした。
「20分ほどで来るそうです!?」
とナツさんが言うと、
「ありがとうございました!!?」
「きょうは本当においしかったです!?」
「ごちそうさまでした!!?」
と一平は言って、お辞儀をしたのです。
「炊き込みご飯の用意はもうできていますので!?」
「おひとりなので、三合にしときました!!?」
「余りましたら!?ラップに包んで冷凍しとけば!?」
「1日か2日なら少し味は落ちますが!?」
「電子レンジでチンすれば食べれますので!!?」
とナツさんが言ったのでした。
「あと!?ジャーを持っていくときに斜めにしますと!?」
「中のスープがこぼれますので、気をつけてくださいね!!?」
とナツさんが言ったのです。
「わかりました!気をつけます!?」
と一平が言うと、
「ジャーはこちらにあります!!?」
と言うとナツさんは、台所に入って行ったのでした。
すぐ後(あと)を一平がついて行ったのです。
そして一平はジャーを平衡を保ちながら持つと、
「門のところまで行って、タクシーを待ちますから!?」
「これで失礼いたします!?」
と言うとジャーを持って玄関まで歩いて行ったのでした。
ジャーを玄関のところにいったん置き、
スリッパを脱ぎ、靴に履きかえると、
「ゆっくり歩いていけば、ちょうどタクシーも来るでしょうから!?」
「では!?奥様と小百合さんによろしくお伝えください!?」
「ジャーをお借りしていきます!!?」
と言ってお辞儀をした一平でした。
「今門を開けますので!?」
「出られましたら!?インターホーンでお知らせください!!?」
「門を閉めますので!よろしくお願いします!!?」
とナツさんは言うと、お辞儀をしたのでした。
「わかりました!!?」
と一平は答え、ジャーを持ち玄関を出たのです。
そしてゆっくりと歩いて行くともうすでに門が開いていました。
門を出るとインターホーンを押し、
「ナツさん!?」
「門を出たので閉めてください!!?」
と一平が言うと、
「はい!ではお休みなさいませ!!?」
「失礼いたします!!?」
とナツさんが言うと同時に門が、自動で閉まっていったのでした。