携帯によろしく 第五章(5)

一平が、レジで支払いを済ませていると、育子が、
「わたし、トイレ行って来るわ?!」
と、一平の耳元で言うと、
「わかった!」
「ここで待ってるから!?」
と、一平が言ったのです。

そしてちょっと間をおいて、一平が頭の中で、
『どっちかなあー??!』
と一瞬考えると、
「小に決まってるわよー!!」
「何言ってるのー??!!」
と、不機嫌に育子が言ったのでした。
「えっ??!」
と、一平が育子のほうに目をやると、
トイレに入るところでした。

『えっ!??どういうこと??!』
と、考えていると、
レジ係が、
「お客様!??」
「どうかされたんですか??!」
と言ったので、一平は、
「ちょっと考え事してたんで!」
と言って、財布から1000円札3枚を出すと、
それを渡し、お釣りを受け取ったのでした。

しばらく待っていると、育子がレジのところに来たのです。
「おまたせ!?」
「一平ちゃんいくらだった?!レシートは??!」
と、育子に言われた一平は、
「すいません!」
「レシートもらえます?!」
と、レジ係に言ったのでした。

「半分出すわよー!?」
と育子が言うと、
「育ちゃんいいよー!!?」
「あのふたり、こっちを見てるからさあー?!」
「とにかく出よー!」
と、一平が言ったのです。
育子はチラッとふたりの方を見ると、
「ホント!出ましょ!!?」
と言うと、一平の腕を持つと急いで、喫茶店を出たのでした。

「これからどこ行こうかあー?!」
「新宿御苑(しんじゅくぎょえん)でも行く!??」
と、一平が言うと、
「新宿御苑かあー!?」
「確かあそこ、4時ごろまでしか、だめだったと思うけど!!?」
「入園は!」
と、育子が言ったのです。

「そういえば、そうだったよなあー?!」
「静かでいいところだけど!」
「4時かあー!?じゃあ少ししかいられないしなあー??!」
「うーん!中央公園なんてどうかなあー??!」
「少し歩くけど!」
と、一平が言うと、
「そうねえー!行ってみようかあー!?」
「そうしましょ!?一平ちゃん?!!」
と、うれしそうに育子は、言ったのでした。

ふたりは、新宿駅の西口に出ると、
中央通りを西に、ゆっくり歩いて行ったのです。
「ねえー!?あのふたりうまくいくかしら??!」
「一平ちゃんどう思う!??」
と、育子が言うと、
「そーだなあー!?先輩は気に入ったみたいだけど!!?」
「洋子さんは、タイプがオダギリジョーじゃあねえー!??」
「洋子さんしだいかなあ??!」
と、一平が言ったのでした。

「オダギリジョーっていくつ??!」
と、一平が言うと、
「30か31かそのぐらいかなあー??!」
「確か?!洋子が30超えてるようなこと言ってたけど!?」
「はっきり憶えてないわ!」
と、育子が答えたのです。

「年齢的には、いい感じだけどなあー?!!」
と、一平が言うと、
「泰三さんって、30いくつなの??!」
と、育子が言ったのです。
「確か、俺より3つ上だから?!」
「31だと思うよ!!?」
と、一平は答えたのです。

ふたりは、京王プラザホテルを過ぎ、都庁を過ぎて、
橋を渡ると、中央公園に入ったのでした。
そして、水の広場といわれてるところに、
高さ5mほどで幅30m以上の新宿ナイアガラの滝という、
この公園のメインの場所に行ったのです。
風向きによっては、心地よい、細かな水しぶきがかかったのでした。






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