携帯によろしく 第五章(7)

育子はすぐに、冷凍室で冷やしておいたジョッキを取り出すと、
一平の席のテーブルの上に、置いたのです。
「一平ちゃーん!?ビール飲むんでしょ!??」
「缶ビールそれとも、ビンビール?!」
と言うと、
「じゃあー!きょう暑かったし!!?」
「ビンビール飲もうかなあー?!」
と、一平は言ったのでした。

育子は冷蔵庫からビンビールを取り出し、
椅子に座って待っていると、
一平はさっぱりした顔で、テーブルの席についたのです。
一平は、ジョッキにビールを注がれると、
「育ちゃん!ジョッキ冷やしていてくれたんだあー!?」
と、うれしそうに言ったのでした。
「うん!それのほうがおいしいでしょ!?」
「じゃあー乾杯する!??」
と、育子は言うと、ウーロン茶の入った、コップを持ったのです。

「じゃあー!先輩と洋子さんが幸せになれますように?!!」
と言ってジョッキを、育子のほうに差し出すと、
「うーん?!それだけ!??」
と育子が言ったので、
「俺と育ちゃんの幸せを祈って!!」
と言ったのです。
すると育子はニコッと笑うと、コップを差し出し、乾杯したのでした。

「一平ちゃん!あと、お豆腐もあるけど!??」
「”やっこ”で食べるー??!」
と言うと、
「ナスのしょうが焼きがあれば、つまみは十分だよ!?」
「あと、鼻でもつまめば、つまみは十二分だよー!?」
と、一平がうれしそうに言ったのです。
「そうなのー!??じゃあー!」
と、育子は言うと、一平の鼻を軽く、つまんだのでした。

「冗談だよー!?」と、一平が言ったのでしたが、
鼻をつままれていたので、鼻声だったのです。
「おもしろいー!!?」
「もっとなんかしゃべってみてよー!??」
と、育子に言われたのでした。
「これは冗談です!」「これはジョークです!」
と一平は、しゃべったのです。
「まあー、このぐらいでやめてやるかなあー??!」
と、育子はうれしそうに言うと、
一平の鼻をつまんでる指を、離したのでした。

一平は、「俺は、”おもちゃ”じゃないんだぞー!!?」
と、笑いながら言ったのです。
「そお?!おもちゃかと思ったわ?!!」
と、育子が言うと、一平は立ち上がり、テーブルを回って、
育子の席に行き、抱きしめると、
めちゃんこ強烈なキスを、したのでした。(よくわかんないー!!??)

育子は手をパタパタさせ、目をパチパチさせると、
一平は唇を離したのでした。
「いっぺいちゃん!息できなくて、死んじゃうじゃん!!?」
と、育子が言ったのです。
「鼻で、息吸えばいいのにー!!」
と、一平が言うと、
「あっ!そうかあー!?」
「鼻で息吸うの、忘れてた!!?」
「だってー!?一平ちゃんがいきなり、キスしてくるんだもん!!?」
「びっくりしちゃったー!?」
と、育子はうれしそうに言ったのでした。

「これであいこだよー!?」
と、ニコニコして一平は、席に戻り、言ったのです。
「そうだね!、あいこだね!!?」
と育子は言うと、ウーロン茶を一口飲み、
ご飯を食べ始めたのです。
一平もうまそうに、ビールを飲み干したのでした。
すぐに育子は、ビールを注いだのです。
「ありがとう!」と一平は言うと、
焼きナスをつまみにして、ビールを飲んだのでした。

ふたりは、洋子と泰三のことを話しながら、
夕飯を済ませたのでした。
「育ちゃん!あと片付けは、俺がするから!?」
「風呂、入っちゃえよー!?」
と、一平が言ったのです。
「でも悪いわ?!」
と育子が言うと、
「片づけが終わってからじゃあー!効率悪いだろー!?」
「いいからとにかく、風呂入いんなよー!!?」
と、一平は言うと、テーブルを片付け始めたのでした。

「ありがとう!」
「じゃあー、お言葉に甘えて!!?」
と、育子は言うと、テレビの部屋に着替えを取りに行き、
着替えるところのカーテンを閉めると、
「一平ちゃん!洗濯物洗っていいのね?!」
と言うと、一平が、
「うん!洗ってくれるー??!」
と、言ったのです。
育子は、洗濯機に一平の洗い物と自分の洗い物を入れ、
洗剤と柔軟剤を入れると、洗濯機を回し、それから風呂に入ったのでした。






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