携帯によろしく 第五章(6)

ふたりは滝のところの広場から、木陰に移ったのでした。
育子はショルダーバッグから、ビニール袋を2枚取り出すと、
「一平ちゃん!?はいこれ!座ろー!??」
と言って1枚を、一平に手渡したのです。
「ありがとう!」
「でも育ちゃん!なんでこんなの持ってるの??!」
と、一平が言うと、
「いろいろと、何かに必要なときがあるのよ!!?」
「ビニール袋って便利だし、かさばらないから!?」
「いつも持ち歩いてるのよ!」
と育子は、ニコニコしながら答えたのでした。

ふたりは木陰のところで、ビニール袋を下に敷くと、
その上に腰を下ろしたのでした。
「滝のすぐ近くは少し涼しいけど、直射日光が当たるから、
そんなに居られないし、よかったよー!」
「じかに座ると汚れるから、助かったし!」
「育ちゃんって、細かなこと気がつくんだなあー!?」
と、うれしそうに一平は、言ったのです。

「わたしって、”おっちょこちょい”なところがあるから!?」
「そのたびに反省して、今度同じようなことがあったら、
失敗しないように、どうしたらいいか考えるの!」
「そのたびに、荷物が多くなってくのよねえー!?」
「前使っていたショルダーバッグは、もっと小さかったのよー!?」
と、笑いながら育子は、言ったのでした。
「へえー!じゃあー。なんでもショルダーバッグだね!」
と、一平がニコニコしながら、言ったのです。

ふたりが夢中で話をしていると、あっという間に日が傾いて、
うっすらと空が、オレンジ色になったのでした。
「夕飯どうしようかあー??!」
「京王プラザホテルが近いから、そこのレストランにでも行く?!」
と、一平が言うと、
「上の階にあるレストランでしょ!!?」
「何かの記念日ならいいけど!?」
「もったいないしー!、とにかくうちに戻りましょ!?」
「食材はまだ残ってるから、わたし作るからー!?」
と、育子が言ったのです。

「これから作るんじゃあー遅くなっちゃうし!」
「だいいち、育ちゃんが大変じゃあないかー!??」
と一平が言うと、
「そんなにこった物は作らないから!?」
「そのかわり、お風呂のしたくしてくれるー??!」
と、育子が言ったのでした。
「あいわかった!!」
と、一平が言うと、ふたりは新宿の駅に戻ったのです。

そしてふたりは、新宿の駅から高田馬場の駅まで戻ると、
駅の近くのスーパーで、たりない食材を買うと、
一平のマンションの部屋に戻ったのでした。
「じゃあー育ちゃん!着替えたらすぐ風呂掃除して、
風呂を沸かすからね!!?」
と、一平が言うと、
「お願いね!わたしも着替えたら、料理に取りかかるから!?」
と、育子は言ったのです。

一平は、パソコンの部屋に行き、
着替えを済ませ、風呂掃除に取りかかったのでした。
育子は、テレビの部屋に行くと、着替えを済ませ、
台所に行き、料理を作り始めたのでした。
米をとぎ、電気釜にセットすると、
「ほんとは、ガス釜のほうがいいんだけどなあー!??」
と言って、スイッチを入れると、
スーパーで買ってきた豚肉とキャベツと玉ねぎを使い、
野菜炒めを作ったのです。
ナスのしょうが焼きも作り、野菜サラダも作ったのでした。
豆腐とわかめの味噌汁も作ったのです。

一平は、風呂掃除が終り、風呂をセットすると、
すぐに台所に来たのです。
「何か手伝うことあるー??!」
そう一平が言うと、
「別にこれといってないわ!」
と、育子は言うと、料理を作っていたのです。
おかずが出来上がる頃に、電気釜のスイッチが切れたのでした。
ご飯を蒸らしていると、風呂のブザーが鳴ったのです。

「風呂沸いたよー!」
と一平が言うと、
「じゃあー!?お風呂先はいるー??!」
と育子が言ったのです。
「そうだなあー!?ざぶんと、先はいるかあー!??」
そう一平は言うと、着替えを部屋に取りに行き、
風呂に入ったのでした。

育子が、「出る時言ってね!」と、言ったのです。
一平は、「うん!」と言うと、10分ほどで、
「育ちゃん出るよー!?」と、言ったのでした。






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