携帯によろしく 第五章(3)

喫茶店ルミネに着くと、一平と育子は、
ふたりが、最初に待ち合わせて座った、テーブルの席に行ったのですが、
そこには、お客さんがちょうどいたのです。
「隣の席にしようか?!」
と、一平が言うと、
「しかたないわねえー!?」
と、育子が言うとふたりは、隣のテーブルの席に座ったのでした。

育子は腕時計を見て、
「まだ2時になってないから、ちょっと早く着いちゃったみたいね!!?」
と言うと、
「コーヒーでも頼もうか?」
「ピザトーストでもいいけど!!?」
と、一平が言ったのです。
「へへ!一平ちゃん覚えてくれてたのね!!」
「ピザトースト!」
と、育子がうれしそうに、言ったのでした。

「でも、今おなかがいっぱいだから、やめとくわ?!」
「わたし、ホット頼もうかなあー!?」
「一平ちゃんは、何にするの?!」
と、育子が言うと、
「俺もここに来て、ほっとしたから!?」
「ホットにするよー!」
と、くだらないシャレを言った、一平でした。

ウエートレスが来ると、
「ホットふたつお願いします!」
と、一平が言ったのです。
ウエートレスは水の入ったコップと、おしぼりを置き、
「ホットふたつですね!」
と言うと、奥のほうに戻って行ったのでした。

しばらくすると、育子の親友の洋子が来たのです。
「ヨーコー!ここよ!!?」
と、少し大きな声で育子が、手招きをして言うと、
「ハイ!待ったあー!?」
と、洋子が二人の座ってる席に来ると、言ったのでした。
「そんなに待たないわよー!?」
「さっき!コーヒーのホット注文したばかりだから!?」
と、言うとなぜかすぐに、
ホットを持ってウエートレスが、来たのです。

ウエートレスが、ホットコーヒーを、
二人の前のテーブルの上に置くと、
「アイスコーヒーひとつ!」
と、すぐに洋子が、注文したのでした。
ウエートレスは一旦置いた伝票を持つと、
「アイスコーヒーおひとつですね!」
と言うと、奥に戻って行ったのです。

「席、変わったほうがいいかなー!?」
と、一平が言うと、
「別にいいんじゃあーない?!」
「このままでも!」
「ねえー!?ヨーコ?!」
と、育子が言ったのです。
「うん!別にこのままでも!?」
と、洋子も言ったのでした。

「対面どうしの方が、お互いの顔を見えていいと思うんだけど!??」
と、一平が言うと、
「といめんどうしって??!」
と、育子が不思議そうに、言ったのです。
「ごめんごめん!」
「向かい合ってっていう意味だよー!?」
と、一平が言ったのでした。

しばらく三人で話をしていると、ウエートレスが、
アイスコーヒーとおしぼりを持って、
三人のいるテーブルに来たのです。
するとすぐ、泰三が来たのでした。
「せんぱいー?!!」
「こっちこっち!!?」
と立ち上がり、少し大きな声で一平が、呼んだのです。
「おー!わりーわりー!?」
と言うと三人のいるテーブルに来たのでした。

「先輩!何か飲み物頼みますかー?!」
と、一平が言うと、
泰三は、ウエートレスに向って、
「君の愛情こもったアイスコーヒーをひとつ!?」
と、まじめな顔をして言ったのです。
ウエートレスは笑いをこらえながら、
「アイスコーヒーをおひとつですね!」
と言うと、急いで伝票を持って、奥に戻って行ったのでした。

それを聞いた洋子と育子は、
「プッ!」と、ふき出したのでした。
「どうしたんですか?!お嬢さんたち??!」
と言うと、
「ちょっと受けたかなあー!?」
と、笑いながら言ったのです。

一平は笑いながら、
「受けたけど、先輩!今受けを狙う必要ないんですよー!?」
「すいません洋子さん!」
と、言ってから、まじめな顔をして、
「こちらが、会社の先輩の二宮泰三さん!」
「こちらが、市田洋子さん!」
と言って、紹介したのでした。






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