携帯によろしく 第五章 (2)

「育ちゃん!どこで待ち合わせるんだよー!??」
「それに、オダギリジョーに似てるなんて、言ってないのにさあー!?」
と、一平が言うと、
「ヨーコ!いつも言ってるから大丈夫よー!?」
と、育子が言ったので、
「いつも言ってるって?何がさあー!??」
と、一平が訊いたのです。

「俳優に似てるって言う人で、本当に似てる人なんていないって!!?」
「なんかの勘違いだってさー!?」
「うわさを聞いて見に行くと、いつもがっかりするって!!?」
と、育子が言ったのでした。
「だけどさあー!?ぜんぜん似てないんだぜ!!」
「俺の美的感覚を疑われるよー!?」
と、一平が言ったのです。

「そーねえ!じゃーさあー!?」
「わたしが、聞き間違えたってことにすれば、いいわよー!??」
と、笑って育子が言ったのでした。
「ほんとにそれでいいのかあー?!」
「育ちゃんが、あわて者になちゃうなあー!??」
と、一平が言うと、
「だってわたし!あわて者だから!?」
「それにヨーコも、それはよーく知ってるし!」
「だから一平ちゃんと、出会うことができたもん!!?」
と、育子がうれしそうに、言ったのです。

ふたりは、着替えると、
30分経ったので、それぞれに電話したのです。
「先輩!一平ですけど!?」
と言うと、
「おおー!一平かあー!?」
「どこで待ち合わせするんだ!??」
と、泰三が言ったのでした。

「ええ!」
「新宿の駅の近くの、ルミネって喫茶店。知ってますよねえー!?」
「2時から2時半頃どうですか?!」
と、一平が言うと、
「ああー!?あそこかあー!?」
「2時はちょっと無理かも知れねえけどお!!?」
「2時半にはいけると思うから!?」
と、泰三が言ったのです。
「じゃあー!?待ってますからねっ!」
と一平は言うと、電話を切ったのでした。

一方育子は、
「ヨーコ!わたし!?」
「したくできたあ??!」
と、言うと、
「オダギリジョーに似てるって、嘘でしょー!??」
と、いきなり洋子が言うと、
「ごめん!聞き間違えたのよー!?」
「一平ちゃんが、”オダギリジョーには似てないけど!?”
って言ったのに、似てるって聞き間違えて!」
「ごめんね!でもいい人みたいだから会ってみない?!」
と、育子が言ったのです。

「一平さんの会社の人なら、堅そうだし!?」
「会うだけならいいけど!?」
と、洋子が言うと、
「じゃあさあー!?」
「新宿の駅の近くの、喫茶店ルミネで、2時から2時半頃どお??!」
と、育子が言うと、
「わかった!」
「そのぐらいの時間なら、行けると思うわ?!!」
と、答えたのでした。

「じゃあー!?一平ちゃんと待ってるからねっ!」
と、育子は言うと、電話を切ったのでした。
「ヨーコ来るって!」
と、育子が言うと、
「こっちも、先輩来るって!」
「違う!二宮泰三さん、来るって!!」
と、一平も言ったのです。

一平と育子は身じたくを整えると、
一平のマンションを出て、高田馬場の駅に歩いて向ったのです。
駅から電車に乗り、新宿の駅で降りたのでした。
そしてふたりは、少し歩くと、喫茶店ルミネに着いたのです。






▲Top