本来コーヒー紅茶などをお出しして、御もてなししなければいけませんが、
インターネットの都合上それができません。
ご自分で好きなものを好きなだけ用意していただき、
キーボードなどの上にこぼさぬよう注意して、
ときどき飲みながらでもお読みくださいませ。 m(_ _)m
美津子が電話を取り、
「もしもしー!?」
と言うと、
「あのー!?山本さんのお宅でしょうか?」
と言ったので、
「はい!そうですが!?」
「どちら様でしょうか?」
と美津子が言ったのです。
「わたくし、生まれも育ちも葛飾柴又(かつしかしばまた)です!」
「そうじゃなくって!!?」
と相手が言ったので、
「ハーアー!!??」
と美津子が言ったのでした。
「すいません!!?」
「美加さんいらっしゃるでしょうか?」
と相手が言ったのです。すぐに、
「きょうは遅くなるって言ってましたけどー!?」
「お名前はー!??」
と美津子が訊いたのです。すると、
「そうですかー!?」
「じゃあー!?しっつれいしまーす!」
と言ってすぐ電話を切ったのでした。
それを階段から下りて来て修二が聞いていたのです。
「お姉ちゃんじゃなかったんだあー!?」
「きょうは純のところへ行ったから!?」
「また”おみやげ”もらってきたんじゃないかと思って来たんだけどー!??」
と修二が美津子に向かって言うと、
「変なあ、電話!!?」
「若い男の人だったんだけどー!?」
「どちら様でしょうか?って訊(き)いたら!?」
「わたくし、生まれも育ちも葛飾柴又(かつしかしばまた)です!」
「だって!!??」
と美津子あきれたように言ったのです。すると、
いきなり修二が大笑いしたのでした。
「酔っ払ってたんじゃあーないのー!??」
と笑いながら修二が言うと、
「そういえばー!?」
「ちょっとお酒の匂いがしたかなっ!??」
と、美津子が少し笑って言ったのでした。
「あれっ!?」
「そういえば酒の匂いがするなあー!??」
と言って鼻をクンクンした修二でした。
それは居間から匂ってきていたのです。
修二が少し開いている居間の戸を開けると、
義雄が手酌(てじゃく)で酒を飲みながら、テレビを見ていたのでした。
美津子も修二のあとからすぐ居間へ来たのです。
「誰から電話だったー!??」
と義雄が言うと、
「たぶん酔っ払い!!?」
「ここにもひとりいるけどー!?」
と修二が笑いながら言ったのでした。
「はっきりは、分からないんですけどー!?」
「声は若い男の人だったんです!?」
「どちら様でしょうか?って訊いたら!?」
「わたくし、生まれも育ちも葛飾柴又(かつしかしばまた)です!」
「って言ったんですよー!!??」
と美津子が思い出して、少し笑いながら言うと、
「そりゃー!?酔っ払いだ!!?」
「俺じゃあー!?ないけどなっ!!?」
と義雄が笑って言ったのでした。
すると美津子と修二が大笑いしたのです。
それから居間で修二が、義雄といっしょにテレビを見だしたのでした。
美津子は片づけをしに台所へ行ったのです。
するとまた電話が掛かってきたのでした。
今度は修二が電話に出たのです。
「もしもしー!?」
と言うとすぐ電話が切れたのでした。
修二が電話を置き居間へ戻ろうとした時に、
またすぐ電話が掛かってきたのでした。
修二が「もしもしー!?」と言うと、
「修ちゃん!?わたし!!?」
「お母さんに、お夕飯はジュンちゃんちでよばれたから!?」
「いらないからって言って!?」
「あと、9時ごろ駅に着くから着いたら電話するから!?」
「迎えに来てって言ってくれるー!??」
と美加が言ったのでした。
「わかったあー!?」
「ところで、今つながる前に1回電話掛けたあー!??」
と修二が言うと、
「電話1回しか掛けてないけどー!?」
「どうしたのー!??」
と美加が訊いたのです。
「わかったー!?」
「じゃあー!?お母さんに言っとくよー!?」
と修二が言うと、
「じゃあー!?頼むわねえー!?」
そう言うと美加は電話を切ったのでした。
修二はそれから台所へ行き、
美津子に美加からの伝言を伝えたのでした。