妙なこと 第十六話 (2)

「きょうの講義は午後からなのよねえー!?」
と美加が言うと、
「それはすみませんでしたねえー!?」
「お休みのところを!!?」
と美津子が言ったのです。

「午後から晴れるかなあー!?」
「お母さん、天気予報見たでしょ!?」
と美加が言うと、
「残念でしたー!!?」
「きょう1日(いちにち)雨だってえー!?」
と美津子は答えると、食堂へと戻ったのでした。

美津子はテーブルのところに来ると、
食器を片付け始めたのです。
するとそこへ美加が来たのでした。

「どうしたの!?美加!?」
「午前中は寝ているんじゃあーないの!??」
と美津子が言うと、
「なんかさあー!?目が覚めちゃった!!?」
美加はそう言うと、梅干のビンを開け、
梅干を1個つかみ、口へと放り込んだのです。

「すっぱいなあー!?」
「しゃきっとするねえー!?」
と美加が言ったのでした。そして、
「お母さん!?起きるわ!?」
「ご飯食べるから!?」
と美加が言うと、
「じゃあー!?ちゃんと着替えてらっしゃい!!?」
と美津子が言ったのでした。

「はーい!!?」
そう美加は答えると、洗面所へと向かったのです。
「まったくー!?似たもの姉弟(きょうだい)なんだから!!?」
と美津子が小さな声で言うと、
洗面所へ入ろうとしていた美加が、
「お母さーん!?今なんか言ったー!??」
と美津子のほうに向かって言ったのでした。

「何(なん)にも言ってないわよー!?」
と少し大きな声で美津子が答えると、
「ならいいけどー!??」
と美加は言うと、洗面所の戸を閉めたのでした。

「何で分ったのかしら!??」
「聞こえたのかしら!?まさかねえー!??」
と美津子は言い、少し笑いながら片づけを続けたのでした。
それから、美加の食事の支度(したく)をすると、
エプロンをはずし、それを自分のイスに掛けると、
洗面所へと行ったのでした。

「美加!?あと20分ぐらいしたらパートへ出かけるから!?」
「お昼戻ってこないから!?」
「ちゃんと、玄関の鍵(かぎ)掛けてから出かけてねっ!!?」
と美津子が言うと、
「はーい!いってらっしゃい!!?」
と美加が答えたのでした。

美津子は洗面所の前から、夫婦の部屋へと行ったのです。
そして着替えを済ませ化粧をし、
「お母さん出かけますから!?出たらロックしてよー!?」
と玄関で大きな声で美津子が言うと、
「はーい!!?」
とトイレの中から、大きな声で美加は答えたのでした。
そして美津子はパートへと出かけたのです。

すぐに美加は、トイレから出ると着替えもせずに、
パジャマのまま玄関に来るとドアをロックしたのでした。
そして、
「よーし、これでOK(オッケー)!!?」
と言うと食堂に行き、朝ご飯を食べたのでした。

美加は食べ終わると、片づけをし洗い物を済ませ、
「さーて!ひと寝入りしよー!?」
と言って大きなあくびをすると、
階段を上り、自分の部屋へと戻ったのです。
そして、目覚ましの時間を確認すると、
気持ちよさそうに寝たのでした。

それから時間が過ぎ、
美加が11時半にセットしておいた目覚ましが鳴ったのでした。

「もうこんな時間!?」
「さーてとー!?シャワー浴びなくっちゃ!!?」
と美加は言うと、
急いで布団を片付け、着替えを持ち、
風呂場へと向かったのでした。

洗い物を洗濯機に入れ、スイッチを入れたのです。
それから美加がシャワーを済ませ、着替えを終えると、
ちょうど洗濯機が止まったのでした。




▲Top