妙なこと 第十六話 (4)

「しゅうじー!?そんなところで腕組んでないで!!?」
「カセットコンロ出してちょうだい!?」
と美津子が言ったのです。

「お母さん!?もう煮えてるよねえー!??」
「ちょっと味見!?」
そう言うと修二は、ガスコンロにかかっている土鍋に、
鍋用の穴のあいたお玉を持ってくると、 (なんという名前か知りましぇん!)
鶏肉をすくい、それを小皿に取ったのでした。

鶏肉を食べスープを飲むと、
「鶏肉もう煮えてるし!?」
「いいだし出てるよー!!?」
とうれしそうに修二が言ったのです。すると、
「あっ、そうー!!?」
「じゃあー!?エビも煮えてるわねえー!!?」
と、美津子が笑いながら言ったのでした。

「えっ!!?」
「エビあるのー!??」
と修二が言い、もう一度お玉で下のほうを探ろうとすると、
美津子が急いでお玉を取り上げ、
「ダメー!味見終わりー!?」
「コンロ出して!!?」
と言ったのです。

「分かったよー!!?」
そう言うと修二は、カセットコンロを持って来ると、
テーブルの中央へと置いたのでした。

「じゃあー!?土鍋をそっちへ持っていってくれるー!??」
「気をつけてよー!?ゆっくりでいいから!?」
と美津子が言うと、
「うん!!?分かったー!?」
と修二は言い、
土鍋を鍋つかみを使いガスコンロの上からゆっくり持ってくると、
カセットコンロの真ん中に慎重に置いたのです。

「ありがとう!!?」
「ついでにお風呂も見てきてくれるー!??」
と美津子が言うと、
「鶏肉ひとつで、こんなに手伝いさせられるとは思ってもみなかったよー!??」
「行きますよー、行きますよー!?」
と修二は言うと、
風呂場へと向かったのでした。

風呂場から帰ってくると修二は、
「いつでも入れるよー!?」
と美津子に向かって言ったのです。すると、
「ありがとう!」
「もう出かけないんでしょ!?」
と美津子が言うと、
「うん!?きょうはもうどこへも行かないよー!?」
「あした午前中は図書館だけど!!?」
と修二が言ったのでした。

「じゃあー!?お姉ちゃん遅いって言ってたから!?」
「先にお風呂入っちゃうー!??」
と美津子が言うと、
「そうだなあー!?」
「お父さんも何時になるかわからないんじゃあー!?」
「先、入っちゃうよー!!?」
と言うと修二は、二階の自分の部屋へと向かったのです。

着替えを持ち、修二は二階から下りてくると、
風呂場へ行き、風呂に入ったのでした。そして、
風呂から出てくるとすぐに冷蔵庫を開け、
2L(リットル)のペットボトルのウーロン茶をグラスに注ぎ、
一気に飲んだのでした。
するとその時、電話がかかってきたのです。

美津子が電話に出ると、夫の義雄(よしお)からでした。
「分かりました!!?」
「今迎えに行きますから!?」
そう言うと美津子は電話を切り、
「修ちゃん!?食べててねっ!?」
「お父さん迎えに行ってきますから!?」
と大きな声で食堂にいる修二に向かって言ったのです。

「はーい!いってらっしゃーい!!?」
そう修二は答えたのでした。
すると美津子は、
玄関を出て自分の車に乗ると、駅へと向かったのです。

「あれ!??」
「お父さん運動のためといって!?」
「いつも駅まで往復しているのに!?」
「へんだなあー!??」
そう言って、ご飯をよそった修二でした。






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