

2013年12月
『冷えは万病のもと』

『冷えは万病のもと』ト言います。前回では「冷えた体の中では、こんなことが起きている!!」
そして養生法について、お話いたしました。
今月は漢方での『冷え』対策について、お話したいと思います。
冷えは、身体を温め栄養成分を運ぶ「気」と「血」が不足したり、 身体を温めるエネルギーである「陽気」の根本となる「腎」の働きが低下した状態と考えます。
また、寒さやストレスから「瘀血(血行不良)」となり、症状として冷えが現れることもあります。
この様に、冷えといっても原因は人それぞれ。まずは、ご自身の冷えのタイプを知り、身体の中から冷え対策をしていきましょう。
血が不 | するタイプ - | ||
① | 「血」が不足するタイプ- | 「血」が全身に行き渡らず、冷えて、
潤い不足に、女性は要注意! | |
<症状> |
手足の冷え、めまい、立ちくらみ、動悸、月経の量が少ない、
皮ふ・目・口・髪の乾燥、ファンデーションののりが悪い、 眠りが浅い、便秘 | ||
<よく使われるのは>婦宝当帰膠、当帰芍薬散、など |
血が不 | するタイプ - | ||
② | 「気」が不足するタイプ | 疲れやすく食欲がない身体を温める
エネルギーの「気」が不足に | |
<症状> |
手足の先が冷える、疲れやすく体力がない、
息切れ、食欲不振、風邪を引きやすく治りにくい、 汗が多い、軟便・下痢をしやすい | ||
<よく使われるのは>補中益気湯、人参湯、六君子湯、衛益顆粒など |
血が不 | するタイプ - | ||
③ | 「陽気」が不足するタイプ- | 陽気を生みだす「腎」の機能低下が
根底に、加齢による「腎」の衰えにも注意! |

<症状>
寒がり、手足の冷えが強く氷のように感じることも、
腰が冷える、腰痛、関節痛、耳鳴り、記憶力の低下、
不妊、夜間の頻尿、むくみ、トイレに行く回数が多い
<よく使われるのは>
八味地黄丸、牛車腎気丸、参馬補腎丸、参茸補血丸など
血が不 | するタイプ - | ||
④ | 瘀血(おけつ)タイプ- | ストレスや生活習慣の乱れ、寒さなどにより
血行不良となり、「血」が身体の隅々まで行 き届かないため | |
<症状> |
手足の先が冷えてしびれる・痛む、しもやけ
顔や唇の色が暗い、下肢の静脈瘤が目立つ、肩こり 頭痛、生理痛がひどい | ||
<よく使われるのは>冠元顆粒、芎帰調血飲第一加減、 ④ <よく使われるのは>当帰四逆加呉茱萸生姜湯、折衝飲など |
血が不 | するタイプ - | ||
⑤ | 「水」たまりタイプ- | 水分代謝が悪く水分が貯留してしまうため | |
<症状> |
浮腫、体が重だるい、めまい、吐き気、軟便、
下痢をしやすい、頭重感 | ||
<よく使われるのは>防巳黄耆湯、五苓散、苓桂朮甘湯、 ③ <よく使われるのは>桂枝茯苓丸加薏苡仁 |
血が不 | するタイプ - | ||
⑥ | 「気」のとどこおりタイプ- | ストレスなどにより「気」のめぐりが悪くなって
しまうため | |
<症状> |
冷えのぼせ、イライラしやすい、怒りっぽい、寝つきが悪い、
夢をよく見る、ゲップ、腹部膨張感、生理前に胸が張り 周期が不順 | ||
<よく使われるのは>加味逍遙散、逍遙丸、抑肝散加陳皮半夏、 ③ <よく使われるのは>紫胡桂枝乾姜湯 |

あなたの冷えは、どのタイプでしたか? 冷えそのものは病気ではありませんが、 前回でお話ししましたように、体の中でいろいろな困った事態を引き起こしてしまいます。 養生法さらに漢方のチカラで体の中から冷え対策をして、元気にこれらの冬を乗り越えましょう。!