

2012年9月 秋の養生法

~秋は夏の疲れや、肺機能の低下に注意!~

漢方の五行説(右表参照)によると、実りの秋は一年中でもっとも乾燥する季節です。 五臓の中でも特に「肺」は乾燥によるダメージを受けやすいのです。
● 風邪を引きやすくなる ● 喉がヒリヒリして痰がからんだり咳がでる ● 肌がカサカサして痒くなる ● 便秘になる ●
症状が現れやすくなります
ぜんそく・アトピーなどの持病をお持ちの方はもちろん、今夏の暑さによる疲れ・冷たい物の取り過ぎによる胃腸の不調・ 睡眠不足などで体力が落ちている方も、乾燥の影響を受けやすいので注意が必要です。
漢方では「肺」は呼吸器系の働きだけでなく、免疫系の機能や皮ふ、鼻の状態に関わるなど、 さまざまな役割を担っていると考えます。
この時季の養生によって、冬の健康にも差が出ますので、「肺」 の機能をしっかり高めて免疫力の高い身体をつくりましょう。

<暮らしの養生>
① | 肺や皮膚に潤いを補給しましょう。 |
肺は「潤いを好み、乾燥を嫌う」という特徴があります。 食事などで肺の潤いを保つことはもちろん、保湿剤を利用して 皮膚の潤いを守ることの大切に。 | |
② | 「腹式呼吸」で肺を鍛える。 |
肺の機能を強くする「腹式呼吸」を。背筋をのばして座り、 お腹を膨らませながら深く息を吸い込み、ゆっくりと吐き出します。 陽気がたっぷりある朝の時間に、一日15回程度がおすすめです。 | |
③ | 早めに寝て睡眠をとりましょう。 |
④ | 一日一回、ツボを刺激しましょう。 |
毎日刺激して、肺の機能をアップし、呼吸器系のトラブル解消をめざしましょう。 |
<食の養生>
肺を潤す食材: | はちみつ・白きくらげ・杏仁・大根・豆ふ・百合根・梨 |
・れんこん など | |
気を補う食材: | きのこ類・山芋・肉類・さつまいも・えび・じゃがいも など |
(注意)辛すぎるもの(唐辛子たっぷりのキムチなど)は、潤いを損ないますので控え目に...
<薬膳レシピ>
ぎんなん入り炊き込みご飯

白米・・・ | ・2合(1合は180ml) |
玄米・・・ | ・・・・・・1/4カップ |
レンコン・ | ・・・・・・・・・80g |
ギンナン・ | ・8個(缶詰でもよい) |
黒キクラゲ | ・・・・・・・・・ 4g |
白ゴマ・・ | ・・・・・ ひとつかみ |
だし汁・・ | 2・1/3~2・1/2カップ |
酒・しょうゆ | ・・・・ 大さじ1 |
塩・・・・・ | ・・・小さじ1/2弱 |
① | 白米と玄米はといで、水に30分以上ひたす。 |
② | 黒キクラゲは水に戻し、石づきをとって干切りに。 |
レンコンは皮をむきイチョウ切り。 | |
ギンナンは薄皮をむく(缶詰めの場合は水を切っておく)。 | |
③ | 炊飯器に水を切った白米と玄米、白ゴマ、調味料を入れ、だし汁を注ぎ、 |
レンコン・ギンナン・黒キクラゲを入れて炊き上げる。 |
家族みんなの潤いをアップする秋の薬膳ご飯です。ぜひ作ってみて下さいね。