

2012年11月 かぜの予防対策

これから冬に向けて、気をつけたいのが『万病のもと』と言われるかぜです。今回は、かぜの「しっかり予防」そして、 ひいてしまったら「早めのケア」についてお話ししたいと思います。
<かぜの予防について>
漢方には、「正気(せいき)が内にあれば、邪に侵されることはない」という言葉があります。 これは、免疫力や体力が身体にしっかり備わっていれば、病気にかかりにくくなるということです。
かぜ・インフルエンザの予防も、まず病気を寄せ付けない『元気な身体』をつくることが大切です。
それには、身体の基本となる『気・血・水』の中の『気(エネルギー)』を充実させることです。 『気』は肺の呼吸と脾胃(胃腸)の栄養の吸収によってつくられ、元気で免疫力の高い身体をつくる大切なものです。
心身の疲労・ストレス・病後・胃腸が弱いなどで気が不足してしまうと、 体力や免疫力が落ち、かぜをひきやすくなってしまいますので注意しましょう。
( かぜ予防の養生法 )

● | 身体を冷やさないこと。外出時は温かい服装を。 |
● | 人ごみを避け、出かける際はマスクの着用を。 |
((注意)マスクは、飛沫の拡散を抑えるのに効果があるが、 感染を完全に予防する効果は期待できないといわれています。) | |
● | 帰宅時に、「手洗い」「うがい」を習慣に。 |
● | 室内の加湿と換気を心がけて。 |
● | 規則正しい生活で、十分な睡眠を。 |
● | 新鮮な野菜をたっぷり食べて、ビタミンを十分に補充しましょう。 |
<かぜのタイプ>
ひいてしまったら、かぜのタイプを見極めて、症状に合ったケアをすることが、早めの改善につながります。
赤いかぜ | 青いかぜ | 黄色いかぜ | |||
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熱っぽい | ぞくぞくと悪寒がする | ムカムカする | |||
のどが痛い | 頭痛・くしゃみ・鼻水 | 体がだるい・食欲不振 | |||
口が渇く など | 首すじや肩のこり など | 嘔吐・下痢 など | |||
身体の熱を冷ます | 身体を温めて、 | 香りのよい食材で、 | |||
涼性の食材を | 冷えを追い払う食材を | 食欲アップや胃腸症状を和らげましょう | |||
・キュウリ | ・大根 | ・葛 | ・シナモン | ||
・冬瓜 | ・れんこん | ・ねぎ | ・コリアンダー | ・しそ | ・みょうが |
・トマト | ・ごぼう | ・しょうが | など | ・しょうが | |
・グレープフルーツ など | ・にんにく | ・梅干し | |||
身体の内側から熱を | 早目の対処で症状の | ・チンピ(みかんの皮) | |||
冷ましましょう | 悪化を防ぎましょう | など | |||
天津感冒片 | 葛根湯 | 藿香正気散 | |||
涼解楽 | 小青竜湯 |
( かぜの養生法 )
かぜをひいたら、無理をせず、十分に睡眠をとり、まず休養しましょう。
体力の回復を早め、こじらせないうえでも大切です。