出家の動機

出家の動機
 元々、戦争とか貧困とか社会の理不尽さとか、そういった事柄を解決したいと思っていた。
 それには、どうしたらいいかと考えた時に情報を掌握するのが一番ではないかと思った。
 テレビ局それも在京のキー局を持つのが情報を掌握するには一番ではないかと思った。当時はポケベル全盛で、インターネットは無かった。
 しかし、テレビ局を持つなんて無理だな、と一瞬で挫けた。
 と、同時に、思った事があった。
 「社会」という言葉は「身の回りの事」と言い換えることが出来る。又、服は物質として「身の回りの物」である。それでは、この「身」は何なんだろうか、と。そして、自分という物が何物か分からなければ、たといお金持ちになろうが、たとい自分の思う理想的な社会が実現しようが、どうしようもないじゃないか。
 ここからすぐに坐禅にたどり着いたわけではなく、多少うろうろしたけれども、これが出家の動機。