株式会社 法地学研究所

 

写真 1. 表富士標高2700m付近の雪庇状吹き溜まりの先端部が欠け落ち、表層雪崩発生の引き金となった。人の立っているところが崩落の上端。               1976.3.28 安間 荘撮影
写真 2. 表層雪崩によって破壊された表富士標高2300m付近の亜高山帯針葉樹林。80-120年生のシラビソ、コメツガ、カラマツ、ダケカンバが根元でせん断されている。
             1976.3.28 安間 荘撮影
 写真 3. 表富士標高2200m付近の表層雪崩による森林破壊。所々に立ち木が残っている。
             1976.3.28安間 荘撮影

 写真 4. 1976.3表富士表層雪崩の流路図。右側が雪崩上端(標2700m)、二つに別れ主流は表富士5合目レストハウスを直撃し、つずら折の登山道を貫き標高1950mに達した。幅50-90m、長さ1500m、比高750mの規模の雪崩であった。樹林帯中の流路の中に、立ち木が残った島状の部分が点在する。2007年3月25日に規模はやや小さいが同じ流路でスラッシュ雪崩が発生した。                  1976.4.5 安間 荘作成


1976年3月24日に表富士5合目レストハウス及び表富士登山道を破壊した表層雪崩。標高2700m付近の尾根の風下に雪庇状に吹き溜まった積雪層が表層雪崩を起し、5合目レストハウスを直撃した。この雪崩雪塊はレストハウス屋上をジャンプ台として約20m下のループ道路面に滝状に落下、攪拌によって雪片をまじえた冷気体の流れに変化した。滝壷(道路面)にある規模の大きさの冷気塊(周辺の大気に比較して低温で密度が大きい)が形成されると、斜面に沿って樹林をなぎ倒しながら高速で流下する。各々の冷気塊は流下時の樹木の抵抗と気塊の持つ慣性力によって少しずつ流下経路が異なるため網目状の雪崩流路が残されている。雪崩デブリの量は少なく、倒木流木片が極めて多い。実態としては煙型の高速雪崩に類するものであろう。

このような煙型の高速雪崩が、スラッシュ雪崩の起き易い春にも発生することに注意しなければならない。1990年以降、11月下旬から12月上旬にかけての初冬期に表層雪崩だけでなく、スラッシュ雪崩もしばしば発生するようになった。

富士山では低気圧の規模、通過の位置、降雨降雪の際の気温などによって様々なタイプの雪崩が、様々な時期に発生する。地球規模の気候変動期に直面している今日、富士山における雪崩災害現象もより多様化する可能性がある。

 

 



 
 

 

 

 



  会社概要  
  社名     株式会社 法地学研究所
代表者    代表取締役  安間 荘
本社所在地  郵便番号 416−0945
       静岡県富士市宮島574−6
電話     0545−62−0611

資本金    300万円
設立日    2006年6月1日