

2016年4月
健康長寿を支える免疫力

健康長寿を支える大きなカギが免疫力。その免疫機能を担う中心的存在は、血液中を流れているリンパ球ですが、 その60%以上が腸にあるといわれています。
今回は、『腸内環境を整えて免疫力アップ!』についてお話したいと思います。
腸内細菌の数
私たちの腸の中には、500~1000種類、100兆個以上の細菌が住みつき『腸内フローラ』と呼ばれる細菌たちの生態系を作っています。

代表的な腸内細菌には、
・ | 健康に役立つ善玉菌 | - | ビフィズス菌・乳酸菌 など |
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・ | 有害物質を出す悪玉菌 | - | ウェルシュ菌・大腸菌(有毒株) など |
・ | 状況次第でどちらにもなる日和見菌 | ||
- | バクテロイデス・大腸菌(無毒株) など |
があり、その中の善玉菌には、2つの重要な働きがあります。
善玉菌の2つの重要な働き
① | 感染を予防する |
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体内に病原体が侵入しても、善玉菌が存在することで腸細菌に接着することができません。
また、善玉菌には殺菌・静菌の作用もあり、病原体のすみかやえさを奪うので、
繁殖を抑えてくれるのです。 | |
② | 免疫力の向上 |
腸の細胞の表面は粘液で覆われていて、そのことが病原体の感染を防いでいますが、 善玉菌はこの粘液を増やしてくれます。加えて、重要な免疫細胞であるキラーT細胞なども増やして働きを強化し、 さらには、外敵を殺すNK細胞を活性化するのです。 |
年齢を重ねるにつれて

健康な腸は、善玉菌が多いのですが、年齢を重ねるにつれ、善玉菌と悪玉菌のバランスがくずれて、 悪玉菌の割合が増えてくるといわれています。
善玉菌より悪玉菌が優位になると、免疫力が低下して病気を招き、さらに病気も治りにくくなってしまいます。
まずは、腸内環境を整えましょう!
① | 食酵食品や食物せんいを毎日の食生活に取り入れましょう。 |
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野菜の煮物や漬物、納豆などの和食には、善玉菌そのものである乳酸菌や納豆菌だけでなく、
腸内細菌のえさとなる食物せんいも含んでいます。 | |
② | 腸の健康にも血流は大切です。 |
小腸粘膜表面を絨毛が敷き結めた絨毯のように覆っています。 栄養物を吸収するのに、表面積を大きくするための構造です。この絨毛の下には多くの免疫細胞が待機し、 絨毛の内部には網の目状の血管が張り巡らされています。 血流が良いことも腸の健康には大切なのです。 |
このように、腸内環境を良くすることで、免疫力アップ!
身体全体に健やかな循環をもたらしてくれます。
(参考文献:腸内フローラ10の真実・NHKスペシャル取材班)