

2016年1月
舌は健康のバロメーター!その1

漢方では、舌は内臓(五臓六腑)の状態やその人の体質を映し出す鏡であると考えられています。
そして、舌の状態から体質不良の原因や病気についての情報を得ることができ、 それを『舌診(ぜっしん)』といいます。
鏡があれば誰でも簡単にチェックできる便利な方法ですので、ご紹介したいと思います。
観察方法は

舌の色・形・舌の表面を覆っている苔(舌苔・ぜったい)の3つポイントがあります。
観察するときは、照明の光の色に影響される場合があるので、明るい自然光のもとで、行いましょう。
また、飲食物の色が付着していると、正確な色がわからないので、かならず歯磨きやうがいをすませたあとに、チェックします。
健康な人の舌とは
舌の色 | : | 薄いピンク色 | |
舌の形 | : | むくんでいたり、亀裂が入っていたりしない状態 | |
舌苔 | : | 表面に均等に濃い霧がかかったように、白い苔がついていて、舌苔の厚さは、苔を通して舌の色が見えるぐらい。 |
舌の部位と臓腑の関係

漢方では、舌は経絡によって体内の臓腑と結びついていると考えられていて、舌の色や苔、 厚さなどの状態から病気についての情報を得ることができます。
観察ポイント
<舌の色>
① | 赤みが強い | ― | 体に熱がこもり、水分が不足している状態 |
② | 白っぽい | ― | 余分な水分がたまっていて、血液が薄くなっている状態 |
③ | 紫色・暗紅色 | ― | 血行不良で血液の流れが停滞している瘀血状態 |
<舌の形>
① | 大きくてはれぼったい | ― | 余分な水分がたまっている状態 |
② | 小さくて舌が薄い | ― | 体の栄養状態が悪く、水分も少ない状態 |
③ | 舌の表面に斑点がある | ― | 熱性の炎症・血行不良の状態 |
④ | 表面に亀裂がある | ― | 体液不足の状態 |
<舌苔の色>
① | 白色 | ― | 正常、または体が冷えている |
② | 黄色 | ― | 体のどこかに熱が発生している |
③ | 黒っぽい | ― | 高熱、または体の冷えが強い |
<舌苔の状態>
① | 舌がみえないほど厚い | ― | 体液が過剰な状態 |
厚膩苔(こうじたい) | ― | しっかりと付着して取れにくい厚い苔 | |
腐苔(ふたい) | ― | 豆ふカスのような状態ではがれやすい、過食などによる胃腸障害 | |
② | 舌苔が薄く ・ほとんどない |
― | 体液が不足して、うるおいのない状態 |
③ | 舌苔がまだら (地図状舌) |
― | 虚弱体質・アレルギー体質に多い |
<参考文献>顔を見れば病気がわかる(猪越恭也著)