

2015年 3月
春の養生法

寒い冬から、やっと暖かい春をむかえ、うれし~~い♪
でも、春は気持ちが不安定になりやすい季節。また、卒業や入学、
就職、転勤など社会環境の変化も多く、さらにストレスを感じやすくなりますね。
春を快適に過ごせるよう、今月は、春の養生法についてお話したいと思います。
Ⅰ.花粉症
NPO法人『花粉情報協会2015年予測資料』より、今春の花粉飛散は、東北・関東・東海などでやや多めの予測となっています。
さらに、スギの飛散が終息しかけたころに、ヒノキの本格飛散が始まり、5月まで続きますので、気を抜かず予防いたしましょう。
漢方では、『扶正袪邪(ふせいきょじゃ)』での花粉症対策をおすすめしています。
扶正袪邪とは、
<扶正> | 正気(身体の免疫力)を養う。 |
<袪邪> | 邪気(身体に悪い影響をもたらすもの)に侵されてしまったら早めに取り除くことです。 |
まずは、<扶正>『衛気(えき)』の働きを高め、邪気(花粉・黄砂・ウイルスなど) を侵入させない防御力の高い身体に。衛気は体内の「気(エネルギー)」の1つで身体の表面を守るバリアのような存在。

過度の疲労や食事の不摂生などで、衛気の働きが弱まると、体温が下がり、 防御力も落ちてしまうため、花粉症やかぜにかかりやすくなってしまうのです。
そして<袪邪>花粉症になってしまった時は、 原因となる邪気を早めに取り除いて、症状を和らげましょう。
花粉症のタイプによって、漢方薬が異なってきますのでお気軽にご相談ください。
Ⅱ.春は気持ちが不安定になりやすい季節です!

漢方では、春は『肝』の季節と言われています。 『肝』とは、現代医学の肝臓だけを示しているのではなく、 血をたくわえ・めぐらせる、精神・情緒をコントロールする、 目・筋腱・爪を養うなどの働きがあります。
春は『肝』の機能が刺激されるため、環境の変化などによってストレスを受けたりすると、 情緒不安定になったり、すぐカッーとなったり、といった精神的な症状があらわれやすくなります。 ゆったりとしたウォーキングなどリラックスできる時間をもったり、吐く息に意識をおいた
深呼吸 | ・イライラしているとき - 力を入れて吐く |
・くよくよしているとき - 静かに吐く |
で気持ちを落ち着けましょう。
『肝」は、酸味を好むといわれていますので
酸味の食材:梅干し・酢・かぼす・レモン・すもも・さくらんぼ・リンゴ などを利用してみて下さい。
また、「春には苦味を盛れ」ということわざがあるそうで、うど・たけのこ・ふきのとう・タラの芽などの 春の山菜も楽しみましょう。

春の山菜の苦味には、冬の間に縮こまっていた身体に刺激を与えて、 体を目覚めさせ、活動的にしてくれる作用があります。
ただし、摂りすぎると体を冷やしてしまうので、冷え性や水分代謝の悪い人・ 胃腸の弱い人は注意して下さいね。