2015年10月 漢方で”いきいき”脳を保つ
今回は、前回、『健忘症』思い悩んでいませんか?と問題を提起しましたが
漢方で”いきいき”脳を保つ!
健忘症対策をまとめてみました。?
健忘症には、4つのタイプがあります。
タイプ1:気血が不足する心脾両虚タイプ
漢方では、脳の働きは「血」が運ぶ栄養や酸素「気」 のエネルギーによって保たれていると考えます。
そのため、全身に血を送る「心」や食事の栄養から気血を生む 「脾」に不調があると、脳の気血が不足して物忘れなどが起こりやすくなります。
<気になる症状>
物忘れ、集中力の低下、疲労感、かぜを引きやすい、動悸、不眠、食欲不振、冷え症、下痢しやすい など
<漢方薬>
帰脾湯・補中益気湯・帰宝当帰膠 など
タイプ2:ストレスが多い肝うつタイプ
「肝」はストレスをコントロールし、 体内の「気」の巡りをスムーズに保つ役割を担っています。
ところが、過剰なストレスを受けるとその機能が低下し、気の流れが滞ってしまいます。
また、気は「血」の流れをサポートしているため、気の停滞が長引くと 「瘀血(血行不良)」につながることも。 そのため、脳の働きを支える気血が十分に行き渡らず、物忘れなどが起こりやすくなります。
<気になる症状>
情緒が不安定になると物忘れが悪化する、憂うつ、イライラ、情緒不安定、胸が重苦しい、不眠 など
<漢方薬>
逍遙丸・柴胡疏肝湯・加味逍遙散 など
タイプ3:血行不良の瘀血タイプ
脳の健やかな働きを保つためには、「血」が運ぶ栄養や酸素が不可欠。
そのため、「瘀血(血行不良)」 によって血がスムーズに行き渡らなくなると、脳の機能が低下して物忘れなどを 起しやすくなります。
<気になる症状>
物忘れ、頭痛、胸痛、胃痛、腹痛、関節痛、手足のしびれ、しこり、顔色の黒ずみ など
<漢方薬>
冠元顆粒・田七人参 など
タイプ4:更年期以降は注意・腎虚タイプ
漢方では、脳は「腎」が蓄える「精 (生命エネルギー)」によってその機能が維持されていると考えます。
そのため、加齢などで腎が衰えると、精が不足して脳の萎縮や機能低下を招くことに。
結果、物忘れ、記憶力の低下などが起こりやすくなります。
<気になる症状>
物忘れ、記憶力の低下、集中力の低下、耳鳴り、聴力の低下、めまい、脱毛、白髪、腰痛、骨密度が低い、むくみやすい、頻尿、 冷え など
<漢方薬>
参茸補地丸・参馬補腎丸・杞菊地黄丸 など
(参考資料:チャイナビューNo.196より)