

2014年5月
『更年期を上手に乗り切る漢方の知恵』

のぼせや発汗・めまいや耳鳴り・手足のしびれや頭痛など不快な症状が現れやすい更年期。
閉経が近づく40~50代は、精神的にも体力的にも疲れを感じやすい時期です。
漢方の知恵で更年期を上手に乗り切って、元気に過ごすように心がけましょう。
漢方では、女性の体は、7年ごとに変わると考えられています。
約2,000年前の漢の時代の医学書『黄帝内経(こうていだいけい)』には、「女性の一生は、7の倍数で変化する」
と書かれています。

上図からもわかるように、35歳からは気血が衰え始め、42歳からは徐々に女性ホルモンの分泌が減少し、 生理周期が不規則になり、49歳で閉経を迎えます。
更年期を快適に過ごすためにも、年齢によって変化する体のリズムを知り、 若いころからダイエット・暴飲暴食・寝不足などの不摂生な生活を改め、 大きな節目を迎える30代から体調を整えておくことが大切です。
そして、更年期に起こる不快な症状の更年期障害は、漢方では、成長や発育・造血・ホルモンなどを司る 『腎』と、 血液の貯蔵庫である『肝』 の機能低下が原因と考えられています。
<あなたは、どのタイプ?>
更年期障害は、人によって多様で程度も個人差が大きいのが特徴ですが、主に3つのタイプに分類されています。
<タイプ1> 気のめぐりが悪い 『肝気うっ滞』
タイプ | ![]() |
主な症状 | ![]() |
改善ポイント | 停滞した気の流れを良くすること。
(漢方薬) 逍遙丸・加味逍遙散など |
養 生 法 | シソや春菊・セロリ・セリなどの
香りのある食材を積極的に取り入れましょう。
偏食や寝不足などの不規則な生活を改善し、 何事も根を詰めずに、ゆっくりマイペースを心がけましょう。 |
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<タイプ2> 体の潤いが不足した 『肝腎陰虚』
タイプ | ![]() |
主な症状 | ![]() |
改善ポイント | 不足した潤いを補うこと。
(漢方薬) 杞菊地黄丸・瀉火補腎丸など |
養 生 法 | 余分な熱をさます作用のある
トマト・キュウリ・ニガウリ、潤いを補うレンコン・ユリ根・ナシなどがおすすめ。
汗をかきすぎないように、お風呂はぬるめの温度で入浴時間も短めに。 |
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<タイプ3> 血液の流れが悪い 『瘀血』
タイプ | ![]() |
主な症状 | ![]() |
改善ポイント | 血液をサラサラにしながら気のめぐりを良くすること。
(漢方薬) 冠元顆粒・婦宝当帰膠など |
養 生 法 | 血行を良くするサバ・イワシなどの青魚、
黒豆・小豆などの豆類、体を温めて代謝を促進するニラ・生姜・ネギなどがおすすめ。
ストレッチ・ウォーキングなど、 毎日少しずつでも体を動かすことが大切です。 |
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以上、(参考文献)チャイナビーより