

2011年05月 子どもと漢方について


漢方の歴史の中で、小児科学の体系づけは古く、唐の時代に小児科学の専門書がすでにみれれています。 ですので、風邪から始まり、虚弱児・過敏症体質の改善、夜尿症、夜泣き、鼻アレルギー、 気管支喘息、アトピー性皮膚炎・チックなど、子ども特有の疾患から慢性疾患まで応用できると思います。
私も子どもが小さいころより漢方薬を飲ませてきました。
ただ漢方薬は、味、香りが独特なので、最初飲ませるには、お母様の工夫が必要かもしれません。
≪ 飲ませ方 ≫ 錠剤は5歳以上でないと飲めないので(娘は小学校高学年で
やっと錠剤が飲めるようになりました...)粉末・顆粒を下記の方法で飲ませてあげるとよいと思います。
①少量の湯に溶かす
そのお子さんに必要としている漢方薬だとおいしく感じるので、あまり抵抗なく飲んでくれると思います。
それがだめな場合は、一歳以上でしたら、ハチミツが使えるので、漢方薬を少量のお湯で溶いてハチミツを加えて飲ませます。
②嚥下補助食品のチョコゼリーを使う
口当たりの良いゼリーを漢方薬の苦味や臭い、ザラつきを包み飲みやすくします。
③そのまま服用する
ぬるま湯で服用してください。
≪ 子どもの病気について ≫
成長段階の子どものからだは、大人とちがって、内臓も組織もまだ未熟で、とてもデリケートです。内臓の中で、
子どもの病気にもっとも関係が深いのは「肺」(呼吸器)
「脾」(消化器)そして「腎」です。
「 肺 」.. 「肺は皮毛をつかさどる」という生理機能があるので、 漢方では皮ふも呼吸器の一部と考えています。「肺」が弱い、あるいはバランスが崩れたりした場合、呼吸器や皮ふ疾患が (風邪さらにぜん息、気管支炎、アトピー性皮ふ炎など)おきやすくなります。

「 腎」.. 「腎は精を蔵す」といい、
精とは、生命活動を維持していくうえに必要な基本物質の事で、
精気(せいき)ともいいます。
漢方では人の成長、発育は腎に貯えられた精によって支配されると考えています。
そのため小児の成長発育を促すには、腎の強化(補腎)がポイントになります。
「 脾 」.. 食べた物を消化吸収して、
からだに必要なエネルギーである気をつくり出す機能があります。
「肺」「腎」といった他の臓器も、脾がつくり出すエネルギーの恩恵を受けて成長していきますので、
子どもの健康の要となるのは、「おなかを大切にすること」です。

おなかを大切にするには、
・冷たい食べもののとりすぎは、脾胃を傷つけるので気をつけて..
・刺身などの生ものは、消化が悪いのでひかえめに
・子どもは「腹七分」-間食はひかえ、しっかりと食事をとるようにしましょう。
・おなかは温める‐外からの冷えにも気をつけて、寝るときは、腹巻をするのもおすすめです。