

2011年02月 高血圧について<その1>

寒い季節になると血管が収縮して、血圧が高くなりがちなので、ご相談も多くなります。
今回は、高血圧についてお話ししたいと思います。
厚生労働省「国民健康・栄養調査」によれば、高血圧のある人は日本に約4000万人いるにもかかわらず、
治療中の人は約1000万人しかいません。
高血圧は日本で最も多い病気で、別名”サイレントキラー(沈黙の殺し屋)”とも呼ばれています。
≪ 血圧ってな~に? ≫
「血圧」は心臓が血液を送ったときに血管にかかる圧力です。

※血圧を測るときには、<上の血圧‐下の血圧>=脈圧も気にかけましょう!
脈圧は、動脈硬化がすすむほど大きくなります。
65mmHg以上だと、動脈硬化性疾患の危険性が高くなるといわれています。
≪ 高血圧とは ≫
血圧がずっと高く、心臓や血管に慢性的に大きな負担がかかっている状態をいいます。

≪ どうして高血圧になるの? ≫
高血圧を引き起こす原因は、遺伝と環境因子といわれていて、
遺伝・加齢・塩分の取りすぎ・運動不足・肥満・ストレス・気温(暑さ・寒さ)などがあります。

家庭で血圧を1日2回、朝と夜に測定してみよう!

※自分の体調を知るバロメーターにもなりますので、血圧測定は毎日続けましょう。


2011年04月 高血圧について<その2>

高血圧は、自覚症状のない人から、数々の症状の出る人まで、いろいろなタイプがあります。
漢方薬には、症状をとる標治薬と、根本的に体質を治す本治薬があり、
その時の体質と症状にあわせて、いろいろ組み合わせて使います。
1.イライラタイプ (肝うつ化火)

ストレスがたまると肝の働きが悪くなり、気血の流れが停滞をおこします。
それがこうじてくると、肝火という熱性の症状があらわれてきます。
<症状>血圧上昇・血圧不安定・イライラ・怒りっぽい・
頭痛・目の疲れ・充血・のぼせ・顔面紅潮など。
2.ドキドキタイプ (心腎不交)

思い悩みすぎたり、情緒不安・慢性病・老化・心身の過労により
心と腎の働きがバランスを崩しておこります。
<症状>血圧上昇・血圧不安定・不眠・寝つきが悪い・夢が多い・頭がふらつく・物忘れなど。
3.血行不良タイプ (気滞血瘀)

ストレスや運動不足が原因で、気の巡りが悪くなります。
気は血を動かします。したがって、血の巡りも悪くなってきます。
<症状>血圧上昇・めまい・頭痛・肩こり・ゆううつ・落ちこむ・手足のシビレ・舌、唇の色が紫暗など。
4.肥満・高脂血症タイプ (痰濁内阻)

脂っこい食べ物・お酒・肉類・甘い物などのとりすぎと、運動不足で、脾胃(消化器)の働きが悪くなり、
体に余分な水分や脂肪分がたまって血液がドロドロしてきます。
<症状>頭が重い・眠い・記憶力減退・
胸とみぞおちがつかえる・重苦しい・手足、体がだるく重いなど。
5.疲れやすいタイプ (気虚血瘀)

心身の過労、飲食の不摂生、生まれつきの虚弱体質などで、脾胃(消化器)の働きが弱いために、
気・血を作る力が弱く、気血不足になって、血の巡りが悪くなってきます。
<症状>長期の高血圧・最低血圧が高い・めまい・
動悸・息切れ・胸苦しい・体がだるい・疲れやすいなど。
6.ほてりタイプ (陰虚陽芁)

ストレスや肉体疲労・老化・慢性病・喫煙などが原因で、
肝と腎が消耗したために、熱っぽい症状がでます。
<症状>血圧が高い・めまい・不眠・物忘れしやすい・
足腰がだるい・手足がほてる・のぼせ・ほほのあたりが赤い・寝汗など。
7.冷えタイプ (陰陽両虚)

慢性病や老化などで徐々に体力の消耗が進み、
体を温め巡らす働きが低下したために、冷えの症状がでてきます。
<症状>手足、腰の冷え・寒がり・動悸・息切れ・
体がだるい・脱力感・夜間尿が多い・多尿下肢のむくみなど。
<食事の5つのポイント>
- ・腹八分目の実行‐食べ過ぎず、よくかんで間食もやめましょう。
- ・野菜中心・野菜優先の食事。
- ・塩八分目の実行‐目標摂取量1日10g未満、
高血圧の人は1日6g未満に! - ・白・黒・赤・青・黄・緑など、カラフルに食材を登場させる。
- ・1日1食は和食を。
- ・1回20分早足で歩くことを週に2回は実行する。
- ・体操などで血液循環をよくする。
- ・睡眠を十分とる。
- ・禁煙する。
- ・ストレスを溜めない。(笑いの絶えない毎日を!)
<日常生活の5つのポイント>