背骨にある「脊柱管」は脳から続く脊髄神経の通路です。
脊柱管狭窄症とは、加齢や労働などにより骨や靭帯などが変性して脊柱管が狭くなり、
神経が圧迫、血流が悪くなることで腰の痛みや脚のしびれなどの症状が現れます。
間欠性跛行が典型的な症状です。
間欠性跛行とは歩き始めは大丈夫ですが、長時間歩くと腰の痛み、
脚のしびれ、つっぱり感などの症状が徐々に強くなり、歩きづらくなります。
前かがみでしばらく休むとまた歩けるようになります。
東大式 脊柱管狭窄症の鍼灸アプローチを行っています。
神経の圧迫や血流障害が原因として考えられるため、
薬物治療を中心とした血流改善や手術による圧迫除去がありますが
当院では鍼灸治療による血流改善や腰部の筋緊張を改善します。
鍼刺激は神経の血流を改善、腰部の筋緊張を改善させることができます。
脊柱管狭窄症には神経を圧迫する部位別に 神経根型、馬尾型、混合型に分類されます。
痛みやしびれ感を主症状とする「神経根型」は治療の効果が早期に出やすく、
日常生活が楽になります。
※馬尾型や混合型は足裏や肛門のしびれ、排尿・排便障害が特徴的です。
東京大学医学部附属病院 リハビリテーション部鍼灸部門主任 粕谷大智先生の文献では
鍼灸治療を3ヶ月行った時の症状を観察したところ、
痛みやしびれ感を主症状とする神経根型は治療を行うと早期に効果が出やすく、
週一回の治療で計10回程度続けると良いと述べられています。
一方、膝下の脱力感(力が抜けた感じ)やチリチリやジンジンなどの
異常感覚がある馬尾型は予後はあまりよくない傾向と記載されています。
※文献
粕谷大智:腰下肢痛に対する鍼灸治療 ペインクリニック32(4):519-528.2011.
粕谷大智ら:腰部脊柱管狭窄症に対する鍼灸治療の臨床的研究.日温気物医誌62(4):201-206.1999
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