TOP>安らかな死を支える>pd110307>pd110404>pd110613>pd110906>pd111101>pd111201>pd120305>pd120507>


「安らかな死を支える」
157-120305
淀川キリスト教病院名誉ホスピス長 相木哲夫著 (要約)

「信仰の果たす役割」
 人はすべて、罪、病気、天国、死、永遠、幸福などについて、その人なりの信条に立って死を迎えます。人間にとって、もっとも宗教的な時間は臨終の時です。
これまで地位や名誉や財産という衣を着ていた人が、死を前にして、それらが何の役にも立たないことを思い知らされるからです。
死を前にして問われるのは、人が自分の心に何を持っているかということでしょう。

 真実を告げたうえで、看取る者と看取られる者が協力して病気と闘う欧米社会の姿に対し、真実を告げないで、ぼかしたままで医療が続けられるのが日本の現状です。

 ホスピスの果たすべき役割は大きく、しかも多面的です。
自分がこのような病気になったのは、過去において肉体を粗末に扱ったためではないか、悪い行いの結果ではないかという気持ち。このような罪意識に対して、イエス・キリストを信じることにより、罪が赦されるという福音を伝えることが大切な働きとなるのです。更に、死に対する不安や恐れ、死への過程で苦しまないかとの思いに対し、その苦悩はすべて主イエス・キリストが味わわれ勝利されたという事実によって、私たちも恐れなく死と対面できる、ということを伝えることが目標となるのです。


(次号へ続く)


pd111201へ 目次へ