TOP>目次>安らかな死を支える>110307>110404>110613>pd110906>pd111101>pd111201>pd120305


「安らかな死を支える」
151-110307
淀川キリスト教病院名誉ホスピス長 相木哲夫著 (要約)

第一章 現代における死とは

 アメリカ人は、老いとか死について実にフランクに話し合いますが、日本人はそのような話題を避けたがります。おそらくその背後には、日本人の持っている価値観が大きく横たわっているのでしょう。

尾山令仁牧師はその著書「死への備え」の中で次のように語っています。
 「死、この不気味なものに対する恐怖は、成長していくにつれて薄れていくどころか、いつも私の心の片隅を占領しておりました。何をやっても、その最後が見えてしまう・・。人生におけるこの不気味なものを解決しないかぎり、人生そのものを楽しむことができませんでした。死をもってすべてが終わってしまうと考えただけでも、すべてはむなしいもののように思われました。」

多くの日本人にとって、死はこの世の最後で、その先には何も無さそうだ、たとえあるとしても非常にいやな暗い不気味な所らしいというものです。
このようなイメージがあるため、多くの人は死を語ることを恐れ、考えることを拒否するようになります。

 イギリスのホスピスで、多くの人が「デス・イズ・ナチュラル」と言うのを聞きました。死はごく自然のことなんだ、一度生まれた人間は必ず死ぬ、だから特別に怖がる必要もないし、いやがる必要もない、人間にとって当然のことなんだという理解です。

 やがて必ずやって来る老いと死。その日その時あわてないように、私たちは今この問題としっかり取り組む必要があるのではないでしょうか。




目次へ