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「安らかな死を支える」
153-111201
淀川キリスト教病院名誉ホスピス長 相木哲夫著 (要約)

「ある患者の詩」

ニューヨーク大学リハビリテーション研究所の壁に一つの詩が刻まれています。おそらく非常に重い、治ることのない病気にかかった患者の詩なのでしょう。

大事を成そうとして、力を与えてほしいと神に求めたのに
慎み深く従順であるようにと、弱さを授かった。
より偉大なことができるように健康を求めたのに
より良きことができるようにと病弱を与えられた。
幸せになろうとして富を求めたのに、賢明であるようにと貧困を授かった。
世の人々の賞賛を得ようとして権力を求めたのに、
神の前にひざまずくようにと弱さを授かった。
人生を享楽しょうとあらゆるものを求めたのに、
あらゆることを喜べるように命を授かった。
求めたものは一つとして与えられなかったが、願いはすべて聞き届けられた。
神の意にそわぬ者であるにもかかわらず、
心の中の言い表せない祈りはすべてかなえられた。
私はあらゆる人の中で最も豊かに祝福されたのだ。

 神は弱さの中に強く働かれるという内容の詩です。治ることのない病の人にも神はこのような詩を作らせる力をお与えになるということは、本当にすばらしいことです。

(次号へ続く)


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