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「安らかな死を支える」
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淀川キリスト教病院名誉ホスピス長 相木哲夫著 (要約)

第一章 現代における死とは

「人は生きてきたように死んでいく」
(前回からの続き)
  臨床医として多くの人々の死を看取ってきて、強烈に印象に残り、教えられたことは、「人は生きてきたように死んでいく」ということです。言い換えれば、「生きてきたようにしか死ねない」ということです。

  しっかりと生きてきた人は、しっかりと死んでいきます。人に感謝しつつ生きてきた人は、感謝しながら死んでいきます。人をいたわって生きてきた人は、残される人をいたわりながら死んでいきます。一方、周りに依存して生きてきた人は、医者や看護師、家族に依存しながら死んでいきます。

  「良き死を迎えるためには、良き生を生きなければならない」。これは、ホスピスの働きを通して学んだ最大のメッセージであり、私の人生に対するチャレンジでもありました。

  どのような生き方をした人であれ、末期がんの痛みや苦しみを体験することがあるでしょう。ただその苦しみをどう受け止め、対処し、残りの生を全うするかという、闘病生活の姿勢について見る時、そこにはその人の人生の生き様がはっきりと表れてくるのです。
(次号へ続く)


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