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「安らかな死を支える」
152-111101
淀川キリスト教病院名誉ホスピス長 相木哲夫著 (要約)

「臨終の葛藤」

旧約聖書の「伝道の書」に、次のようなことばがあります。
「あなたの若い日に、あなたの創造者を覚えよ。わざわいの日が来ないうちに、また何の喜びもない、と言う年月が近づく前に」(12章1節)
 私は病院での経験から、次のように言い換えてみたいのです。
 「病気にならないうちに、元気なうちに、あなたの創造者を覚えよ。臨終が近づいて恐れおののく前に」。 信仰もなく、死の備えもない人にとって、臨終を迎えるということは大変なことです。

 「死を見つめて生きる」と言うと、多くの人々は戸惑うかもしれません。
しかし、もしふだんから死の備えができ、人間はいつかは死ぬ存在であるという気持ちを持って生きれば、いざという時、そうあわてなくてすむものです。
 自分もいつかは死ぬ存在なのだということを自覚しっつ、毎田の生を生きる時、その生は真に意味のある生になっていくのだと思います。
(次号へ続く)


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