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「銃後の妻の 戦中日記」 全文掲載 |
これは著者の平岡弥よいさんがご自身の青春時代であった21〜25才の頃の
銃後の生活の様子及び終戦後のご主人復員の頃までを日記にて書き残したものを元に
平成16年まとめ、自費出版にて発行されたものです。
昭和二十年(二十三才) 十一月
昭和二十年 | 十一月 一日 | 佐野八幡神杜の大祭日。 兄さん宅の子供達皆喜んでおまいりする。 正午煙草の配給取りに行って来て配給する。 |
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十一月 二日 | イワシたくさん取れイリコにして乾す。 | |||
十一月 三日 | 明治節なり。 | |||
十一月 四日 | ダシイリ今日やうやくほし上がる。 | |||
十一月 五日 | 洗濯をし、つぎ当てする。 | |||
十一月 六日 | 朝ひょっと思ひつき広石へ行く事になり、光子さん宅で自転車を借りて、煕 を乗せ九時頃家を出てぼちぼち行けぱ十二時前に着く。 下の家には誰も居ず、持って行った魚を少しづつ分けて方々へ上げてから、 二時頃奥の家へ上がって行き、食事頂きお父さんと妹弟に会ってすぐに引き 返し、四時過ぎ広石を出て七時頃佐野に帰る。 桝田の松子姉さん尼崎から来て居られる。 |
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十一月 七日 | サツマ芋の供出あり。 三十五〆の割当て。 前日より龍麿さん掘って下さり、お昼頃やうやく割当量が掘れ、新宅の音吉 さんの車で出荷して頂く。 午後より明目の亡父の一週年忌法事の用意をする。 夕方正三兄様、満兄様が来られとてもにぎやかだった。 |
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十一月 八日 | いよいよ今日は亡きお父様の一週年忌法要の日、朝より色々と御馳走をこし らへ、お昼お寺のお坊様来られ供養して下さる。 片岡、新宅、興隆寺タコ等おまねきし、おまいりして頂く。 |
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十一月 九日 | 法事も済み一段落で後片付け大変だった。 | |||
十一月 十日 | 桝田の姉様帰られ、進太郎さんもいっしょに帰る。 | |||
十一月 十一日 | 正三兄様帰られる。 午後用事すませて山へ「すくず」かきに亮三さんと二 人で行って来る。 |
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十一月 十二日 | 満兄様姫路へ帰られる。 煕をあずけ芋掘りする。 前の畠のを掘る。 | |||
十一月 十三日 | 前の畠の芋掘りし、そら豆、エンド豆植える。 | |||
十一月 十四日 | ヤイト場畠の芋掘りをする。 温州畠を全部掘る。 電気の故障で、又電気消える。 |
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十一月 十五日 | 前の畠を製理(整理)し麦蒔きの用意する。 | |||
十一月 十六日 | イワシガ少々とれる。 前の畑麦蒔きの用意。 | |||
十一月 十七日 | 引き読き麦蒔きの用意をする。 | |||
十一月 十八日 | やうやく前の畠準備出来、龍麿さんに肥(下肥)をかついで運んでもらって 麦蒔きする 。ヤイト前の畠で大分広く蒔けた。 |
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十一月 十九日 | ヤイト場の温州畠の芋掘った後へ麦を蒔く。 | |||
十一月 二十日 | 昨日の仕事少々残り今日かたづける。 午後より浜の畠の麦蒔きの用意する。 |
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十一月二十一日 | 龍麿さんに手傳ってもらって浜の畠の麦蒔きをする。 夕方やうやく浜の畠蒔き終る。 |
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十一月二十二日 | 雨降りになる。 丁度昨日で麦蒔き終り本当に良かった。 煕の前かけを裁って、ミシンを使って縫いかける。 |
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十一月二十三日 | 洗濯すまし、昨日からの前かけを続いて三、四枚こしらへる。 色々と考案してこしらへれば、興味が出て来て面白い。 |
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十一月二十四日 | 突然に思ひつき、午後より広石へ行く。(注) 明日龍麿さんも漁業組合よりのトラックの便をもらって広石に来る筈。 先に行ってイモやみかん買いの用意をする。 イリコを交かんに持って行く。 三時には乗れず五時に乗る。 広石へ行けぱ、皆囲んぼに出て居て留守だった。 帰って来るのを待ち、御飯頂いてから妹と二人で岩田へ行って来る。 |
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十一月二十五日 | 荷持の段取をし九時頃来る筈のトラックを待てば、おくれて十一時頃になり、 龍麿さんたくさん魚を持って来て、一時間程の間にトラックの人達みんなに 御飯を食べて頂き、大急ぎで荷持を積み、私は後から自動車で帰る筈に思っ て居たが、急ぎこしらへていっしょにトラックに乗り佐野へ帰る。 |
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十一月二十六日 | 米の配給日、農繁期の増配を一しょに頂ける。 | |||
十一月二十七日 | 洗たくすまし、ごじゃごじゃで日が暮れる。 | |||
十一月二十八日 | 二十日に配給の筈の醤油が今日になる。 | |||
十一月二十九日 | サツマ芋の残りヤイト場畠へ掘りに行く。 煕を恒吉さん宅へあずかって頂く。 |
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十一月 三十日 | 雨降りで編物したり手紙書く等。 | |||
十一月三十一日 | ヤイト場へ芋掘りに行く。 |
次へ続く
平成16年3月発行
「銃後の妻の戦中日記」より転載 禁無断転載(著作権は平岡弥よい氏に帰属します。)
※(自費出版他発行分NO.129)
copyright by yayoi hiraoka 2004
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