メダカの住みやすい場所
メダカは野外のどんなところに住んでいるのでしょうか。 野外のフィールドの様子を紹介しながら、メダカの住みやすい場所を考えてみます。
(このページで紹介したフィールドについては、メダカ保護の観点から場所等の質問にはお答えできませんので、 ご了承ください)
メダカが住む場所(用水路)
用水路全体
土でできた用水路
用水路
岸の草や水草の間が住みか
 メダカは英名「rice fish」(米の魚)というように、水田と関わりながら生きてきました。 メダカが住んでいる多くの場所は、画像のような水田の間にひかれた用水路です。 岸にヨシなどがあり、水中にはカナダモなどが生えています。
流れのゆるやかな場所を中心に生活をし、外敵などにおどろくと岸のヨシの間などに逃げ込みます。 水の取り込み口や、用水路を横切る道路の下の土管などの近くもメダカの好きな場所です。
近年、こういった用水路がコンクリート化され、流れも速くなっています。 用水路がコンクリート化されると、メダカが住みにくくなってしまいます。 実際に、このフィールドがある水田地帯の真ん中を横切る線路をさかいに北側はコンクリート化されていますが、 そちらにはメダカがほとんどいません。
(くわしくはこちらの「絶滅危惧種?」を読んでください)
用水路と田んぼの段差がそれほど無い場合、メダカは通水口を登って水田に入ることがあります。 6月の水抜きの時期まで、浅く水温の高い水田で産卵をします。 ちょうどミジンコが大発生する時期なので、ふ化した稚魚はミジンコなどの水田にいる微生物を食べて大きくなります。 そして、水抜きの時に通水口から出て、用水路に戻ります。
最近はポンプで水をくみ上げて水田に入れるところが多く、メダカがあまり水田に入ることができなくなった場所が多くなっています。
6〜7月ぐらいになると、用水路のよどみなど水流があまりないところで、たくさん群れる若いメダカが見られます。 時には1000匹単位の群れを作ることがあります。
産卵のためにこんなところにもいます
浅い水路
浅い水路
15センチの水深
水深は15センチほど
田との段差
田とは段差がある
流れ込み
用水路へ流れ込む
 5月の後半になると、このフィールドの田には田植えのために水が入ります。 ここの田は、一段高いところにあり、その田からの排水により画像のような浅い水路があぜの脇にできます。 水深は約15センチ。手を入れると、晴れた日中はかなりあたたかく感じます。 ですので、メダカは高水温にも耐えられる魚だと考えられます。(元々、熱帯性の魚ですしね)
 この水路は用水路とつながっており、そこを伝ってメダカが入り込んで産卵をしています。 水がない時に生えていた草が沈んでおり、ちょうど良い隠れ場所となっています。おそらく卵もつきやすいと思います。 晴れた日は、底に発生した藻が光合成をして、一面に細かい酸素の泡ができています。 ですので、水中の酸素はじゅうぶんあるのでしょう。
 6月後半になると、このような水路に生まれた子メダカが群れるようになります。 また、フナの稚魚などもたくさん群れており、用水路の魚たちが利用していることもわかります。
メダカは夏の間、このような浅い用水路や田の中に入り込んで子どもを増やします。 浅いところでは、日光をさえぎるものが少ないため水温も高く、 ミジンコなどの動物性プランクトンが大量に発生するため、エサの心配もいりません。 まさに子どもを増やすためには絶好の場所となります。
そして、秋が近づき、田の水が抜かれる頃には用水路へ戻ります。 このように、メダカは田と密接に関わって生活をしています。 英語名で「rice fish」(米の魚)と呼ばれるゆえんです。
メダカと一緒に住んでいる生き物たち
野外のフィールドでは、他のいろいろな魚や生き物と一緒にメダカたちは暮らしています。 ここでは、そんなメダカの仲間たちを紹介します。
ヌマムツ
ヌマムツ
オイカワ
オイカワ
ドジョウ
ドジョウ