

2019年2月
健康寿命を規定要因・サルコペニア・フレイル

健康寿命を規定する要因の1つ<カルシウム不足>についてお話ししました。今回は、要因の1つの <サルコペニア・フレイル>についてお話ししたいと思います。
高齢者の歩行速度は、65歳以降徐々に低下し、ある時点(女性75歳以降、男性80歳以降)に達すると、日常生活に 支障が生じ始めます。
一般に歩行速度が速い高齢者ほど生活機能を維持でき、死亡率が低いことから、歩行速度は要介護状態への予知因子と考えられています。
高齢者の歩行機能を維持するためには、筋力の低下を防止し、運動器 (足腰をはじめ、関節や筋肉、骨など体を動かすための器官のこと) の健康を保つことが重要です。
サルコペニアとは
加齢や生活習慣などの影響によって、筋肉量が急激に減少してしまう状態をいいます。
フレイルとは
加齢などに伴う筋力や心肺機能の低下など身体的な活力低下に加え、認知機能や気力の低下など精神的な活力低下も合わさった状態のことをいいます。
サルコペニアとフレイルの関係

きょうの健康 2018・9より
サルコペニア対策 その1
加齢とともに食欲(=摂食量)が低下すると、タンパク質不足などの低栄養状態に陥り、その結果、筋肉量が減少してしまいます。
サルコペニア対策には、筋肉量を増やす必要があります。まず、しっかりと食事をし、タンパク質を取ることが大切です。
サルコペニア対策のために1日必要なタンパク質の量は、体重1Kg当たり、1.2~1.5gといわれています。
サルコペニア対策 その2
サルコペニア対策の理想的な運動は、筋力トレーニングですが、ラジオ体操、スクワット、ストレッチなど、無理のない方法で、運動を続けましょう。
サルコペニア対策 その3
「社会参加」(趣味などの文化活動やボランティア活動など)を積極的に行い、よく食べ、よく動きましょう。
このように、サルコペニア・フレイルは、要介護・寝たきりへの入口となり、 健康寿命に影響をもたらします。